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![]() 前回のモングラーに引き続き「ウルトラQの実在生物巨大化怪獣シリーズ」の2回目です ウルトラQは怪獣デザインにおいて革命を巻き起こし、その後の怪獣デザインの方向を決定づけた重要な番組であります 日本のテレビ怪獣はウルトラQ以前は「ゴジラ(恐竜・ティラノサウルス)か「キングコング(巨大なゴリラ)」の2択しかない状態でありました 詳しくは以前に書いた「テレビ怪獣黎明期」をご参考くださいませ そんな中で「ウルトラQ」は(おそらく)「映画で人気の怪獣をテレビのブラウン管に登場させよう」というコンセプトの元、毎週週替わりで新しい怪獣を登場させ続けます 第1話のゴメスはゴジラを改造した恐竜型怪獣(といっても設定の上では哺乳類なのですが) 第2話のゴローは巨大な猿で、これはゴリラではないにしてもキングコングと同様のコンセプトの下にある怪獣 放送2回にしてすでに当時のテレビ怪獣における限られた選択肢を使い切ってしまったわけですが、その後に続く怪獣は恐竜型、巨大ゴリラ型から飛び出し、大きく分けて2つのタイプに分けられます 1つは実在生物巨大化怪獣 もう1つは、天才怪獣デザイナー成田亨による革命的デザインの怪獣 言うまでもなく後の怪獣デザインの方向性を決定づけた怪獣デザインの進化におけるビッグバンを促したのは成田亨デザインの怪獣です 今回の記事を書くにあたってウルトラQの怪獣の中で成田亨のデザインした怪獣はそれぞれどれであるのかを調べようと思ったのですがウルトラQの怪獣デザイナーを表記した一覧のようなものは残念ながら見つかりませんでした(自分の調べ方が悪くて見つけられなかっただけなのかも?) ただ、今は絶版となっている「成田亨画集・ウルトラ怪獣編」を扱っている古書サイトの紹介ページに、画集に掲載されている怪獣の名前が記載されていましたので、それによると カネゴン ガラモン ケムール人 パゴス ペギラ ゴルゴス ゴーガ セミ人間 ラゴン バルンガ ピーター これらの怪獣は成田亨デザインであるようです ウルトラQの怪獣から「実在生物巨大化怪獣」を除いたものに大体一致しますね 微妙なのはナメゴンで、これは巨大なナメクジということが出来ますが実在するナメクジをそのまま巨大化した姿とは言い難く、海外SFパルプ小説に登場した宇宙怪獣、通称ベムが念頭にあったと思われるものです それでもナメゴンは成田亨の「怪獣をデザインする上での信条」からははずれるもののように思えますので、やはり成田氏の手によるものではなかったと思われます では成田氏の「怪獣をデザインする上での信条」とはなにかといますと、それは「怪獣デザイン3カ条」ともいうべきもので 1・怪獣は妖怪ではない。手足や首が増えたような妖怪的な怪獣は作らない。 2・動物をそのまま大きくしただけの怪獣は作らない。 3・身体が破壊されたような気味の悪い怪獣は作らない。 といううものです 成田氏がデザインしなかったウルトラQ怪獣のもう一方のスタイル、「実在生物の巨大化」は、ここで全部はじかれちゃうわけですね ナメゴンは見ようによっては妖怪っぽくも見えるし、巨大なナメクジとも言えるし、そしてなにより「気味が悪い」ところがありますから、やっぱり成田デザイン怪獣じゃないっぽいです ウルトラQ怪獣は実在生物巨大化と成田亨のデザイン3カ条に貫かれた革新的怪獣が混在していた番組であると言えます それは怪獣の歴史における進化の姿を如実に表していたものだと思いますね 「ただ実在生物を巨大化したもの」から独創的なアイディアを盛り込み、芸術として成立しうる怪獣へと飛躍的な進化がウルトラQという番組の中で実践されていたのです 怪獣デザインの世界においていかに成田亨という存在が大きなものであるかをここから伺うことが出来ますね 彼がウルトラQにおいて、「怪獣デザイン3カ条」に基づいた怪獣製作を行っていなかったら怪獣の歴史は明らかに変わっていました それはあるいは、成田亨がいなければ怪獣と言うものがここまで息長く続いていくことさえ無かったかもしれないと思わせるほどのものです 「実在生物巨大化」という手法しかなかったとしたら怪獣はたちまちネタギレとなり、新たなものが生まれないまま消えていったのかもしれません 成田亨とウルトラQが無かったら、怪獣ブームは無かったかもしれません さて、今回の記事は実は成田亨氏の手による革命的デザインのウルトラQ怪獣ではなく、成田亨自身が自らに「禁じ手」として課していた「実在生物の巨大化」怪獣についてのものであります 成田亨氏のウルトラQ怪獣の錚々たる顔ぶれに比べて、やや見劣りしなんだかどこか安直のように思われる実在生物巨大化怪獣 しかし彼らだってまったく魅力のない怪獣ではないと思います 特に「怪獣の根源的な姿」、「怪獣の原初」といったものについて考えてみたいと思った場合、これら成田氏からはじかれたウルトラQ怪獣は非常に興味深い存在であると言えます 巨大な実在生物、現実に目にすることのできる生き物と外見的にはあまり変わっていないように思える「怪獣」 これは大きな進化を遂げる以前の原子的な怪獣であり、怪獣と実在する生物との違い、境界とはどこであるのか?という疑問に答えてくれるものであると思います 「怪獣はなにを持ってして怪獣となり得るのか?」 怪獣の起源はやはり実在する生物が根底にあるものでしょう そんな生物に現実ではありえない要素、捻りを加えることにより、それは実在生物から怪獣へと転身するのではないか? ウルトラQの原初的でシンプルな怪獣たちを見ると、そんな思いが浮かんできます 現実ではありえない要素を、捻りを加え、それが現実の壁を飛び越え、異質の姿を浮かび上がらせるというコンセプトは、そのまま「ウルトラQ」という番組自体に言えると思います 「ウルトラQ」は見慣れた現実世界が、どこかバランスを崩し、非現実的なアンバランスゾーンへと姿を変えることをドラマのコンセプトとしています 実在生物巨大化怪獣は、ウルトラQという番組のドラマ上のコンセプトも象徴している気がしますね 現実の生物に現実ではありえないサイズを与えることにより、日常世界はアンバランスゾーンとなり、実在生物は怪獣へと生まれ変わるのです 生物が怪獣へと転身する要素はなにも「巨大化」に限定されたものではありませんが、しかし様々ある「非現実的要素」の中で「巨大化」というのは最もストレートに「怪獣らしさ」を表現しているのではないかと思いますね ではなぜ「巨大化」が1番「怪獣らしい」のか?というと・・・・・・実は今回はそこまで考察が進んでません、ごめんなさい! 「巨大化」が最も怪獣らしさを象徴するものであることについては、またいつか記事を書き、考察していこうと思います ウルトラQの実在生物巨大化怪獣(って長いな、なんかもっと短い言い方はないかな?)の中でも、抜きんでてシンプルで、あまりにシンプルであるため、あんまり怪獣らしくないんじゃないかとさえ思えるのが「鳥を見た」に登場したラルゲユウスです なんと!巨大な鳥です ほんとにただの鳥なんです われわれがどっかで普通に目にするようなどこにでも見られるような名前も知らないなんの変哲もない鳥 本編では「文鳥に似てる」なんて言われていました なるほど、確かにそうですね 実際に見て特に怖いと思えない、人間に特に害を与えることもないように見える、普通の鳥 それがラルゲユウスです 実際、本編でのラルゲユウスもほとんど「ただの鳥」でしかないシーンが続きます 子供の手のひらに収まるような可愛い小鳥です 日常の象徴ともいえるようなそんな鳥が、ドラマの後半になって巨大化し、日常のバランスを崩し、実在生物から「怪獣」へとその姿を変貌させてしまいます ラルゲユウスの巨大化する以前の姿が、あまりにも普通で日常的であるため、それがただ巨大化しただけで現実と、その生物としてのスタンスが異質なものへと変貌する「アンバランスゾーンの成立条件」が非常にシンプルでわかりやすく「怪獣誕生」の最も根源的な姿をここに見るような気になりますね 現実からの飛躍の距離が、他の怪獣映画、怪獣ドラマと比較して、比較的距離的に短いとも思います もちろん実際に小鳥が巨大化してしまったら大事件なんですが・・・・・ ただラルゲユウスを見ると「現実とアンバランスゾーンの違いはほんの少しだけ」、であるように思います 実在生物と怪獣の違いも同様ですね まあ、あんまりにも「ほんのちょっとだけ」であるためにラルゲユウスはあんまり「怪獣」っぽくもない気がしますが、でもやっぱりラルゲユウスは怪獣だと思います 厳密に言うとラルゲユウスは「実在する鳥が巨大化した怪獣」とはちょっと違います ラルゲユウスは古代の鳥類であり、時空を超える能力を持った実に非現実的な架空の鳥です 放射能を浴びて巨大化した蟻だとか、開発中の薬品を浴びて巨大化したモグラというたぐいとは違い、そもそも現実には存在しないのです ラルゲユウスは理由はわからないのですが・・・・というか、元から「巨大化する鳥」なのです ただ見た目は日常でよく見かける小鳥なのでそれがわからないんですね 巨大化さえしなければ、それが古代の鳥類で時空を飛び越えるものであるなんてわかりません あ、時空を超えて古代から現在に現れたのはラルゲユウスの持つ能力のせいじゃないのかな? ラルゲユウス自体にタイムスリップの能力はなく、時空の歪みにラルゲユウスが取り込まれただけなのかも? でも巨大化しちゃうんですからやっぱりラルゲユウスは非現実的ですよね 非現実の架空の鳥なんですが、でも見た目のあまりに普通っぽさから「実在する鳥が巨大化したもの」であるように見えてしまいます デザイン面だけでいえば「実在生物巨大化怪獣」でいいように思います 現実の鳥と特に違いがないように見えますし・・・・・鳥の専門家から見たらありえない姿のかもですが、鳥をあまり良く知らないものから見たらわからないですよね ラルゲユウスは日常の象徴、小鳥が巨大化によって怪獣化する、怪獣の最もシンプルな成り立ちを見せてくれる存在だと思うのですが、やはり日常の側面が他の怪獣と比較して大きいせいか怪獣らしさがいまひとつで、もうひとつ怪獣ファンからの人気が低いですね 似たような同じような鳥の怪獣がすでに第1話でリトラが登場していますしね しかしラルゲユウスが登場したエピソードである「鳥を見た」はシナリオの秀逸さ、ドラマ全体を覆う詩情、などから高く評価されています 孤独な少年と古代からやってきた小鳥の友情を描き、しかし周囲の無理解から、あるいは日常の住人である少年と異世界であるアンバランスゾーンの存在であるラルゲユウス、住む世界が違うため別れなくてはならなくなった「友達」の姿を描いています ラスト、どこかへ飛び去っていくラルゲユウスをいとおしそうに見つめ続ける少年の姿が海と空、そしておそらく夕陽を背景に美しく描かれています なんとも切なく、しかし温かな気持ちになり忘れられないシーンです ウルトラQのエピソードの中でも、最も抒情的で、ブラッドベリの短編小説のような詩情を感じさせられます このラストシーンが映し出される中、なんとも切ない調べの音楽が流れる中でドラマは終わるのですが、これはいつものウルトラQの終わり方と違っているんですね いつもはスタッフ、キャストのテロップは番組の最初に流れるのですが、この「鳥を見た」では最初のほうではテロップはなく、最後、この美しいラストシーンにBGMと重ねて流れていきます これがラルゲユウスとの別れを惜しむ少年の心情とマッチしているように思えて、なんだか胸が切なくなってきます 何気ないことのように思えますが、実に秀逸な演出で、番組スタッフの、このエピソードにおける「特別な思い」が伺えてきます ![]()
by pulog1
| 2009-09-29 23:08
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