アフリカの怪獣

前回までのあらすじ
パチモン怪獣レポーターのぼくはパチモン怪獣の神様、アイガンから「パチモン怪獣の真実が知りたければアフリカに行け」というお告げを受けてアフリカに向かった！

うおー、アフリカだー！
すごいなー、日本と違って大自然に囲まれた雄大なところだ。
ここにくるとパチモン怪獣の真実がわかると言われたんだけど？
・・・・・・・・・・・む！？
あの大きな滝の上に居るのは？？？

「がおーーーー！！！」

あれはパチモン怪獣！
なんとアフリカにもパチモン怪獣がいるのか！
しかし、やっぱりどっかで見たことがあるような怪獣だなあ。
両手が大きなハサミということは・・・・・・・・・・そうだ！
体は帰ってきたウルトラマンのサドラーだ！
そして顔はやっぱり帰ってきたウルトラマンに出てきたグドンに似ているぞ！
名前はわからないけど、とりあえずグドサドラーとでも言うところか？
もしかしてあのグドサドラーがパチモン怪獣の真実を教えてくれるんだろうか？
よし、さっそく突撃インタビューだ！
あのー、すみませーん！

グドサドラー
「あー、おめえが日本から来たパチモン怪獣レポーターだな？
アイガンから話を聞いてるぜ。
なんでもパチモン怪獣の真実について知りたいんだってな？」

おお！話が早いですね！
そうなんですよ、ぼくはもっとパチモン怪獣について知りたいんです。
パチモン怪獣の真実ってなんでしょう？

グドサドラー
「よし、じゃあ教えてやろう。
いいか？パチモン怪獣というのはすなわち・・・・・」

すなわち？

グドサドラー
「すなわちアフリカだ！！！」

えええええっつ？？？
パチモン怪獣がアフリカ？？？
いったいどういうことですか？

グドサドラー
「わかんねえのか？
おまえ、周りを見回してみろよ。
なにが見える？」

えーと、やっぱり雄大な大自然ですかねえ？
それと象やライオン、キリンにシマウマといろんな動物がいますねー。

グドサドラー
「そう！
どこよりも雄大な自然と、様様な動物達！
これこそがパチモン怪獣なんだよ！」

はあ？
えーっと、それってどういうことなんでしょう？

グドサドラー
「ったく！飲み込みが悪いなお前。
いいか？ここに住んでる動物達は自然のまま、なにものにも縛られずに自由に生きている。
それゆえ様様な種類の動物が共存するという生態系が築かれてるのだ。
ここまで多種多様な生き物で溢れてる場所は他に無い。
自然のまま自由であること、そして多種多様な生命が溢れてること。
これこそがパチモン怪獣の真実！
アフリカこそがパチモン怪獣の姿そのものなのだ！」

・・・・・・・・・・・・・・・んーと
話が大きすぎてよくわかんないんですけど？

グドサドラー
「てめーはどこまで頭が悪いんだ！
俺の話がなぜわからん！！！」

バシ！！！！！

うぎゃあ！！！
頭をハサミで挟まないでくださいよ！！！

グドサドラー
「いいか？版権などに縛られず自由な存在でいるのがパチモン怪獣なのだ！
自由であるということは、これ自然であるということ。
パチモン怪獣こそ、なにものにも縛られない自由で自然な怪獣の姿なのであーる！
すなわち、怪獣の真に自然な姿はパチモン怪獣にしかない！
パチモン怪獣こそが怪獣の真にあるべき姿なのだ！！！」

・・・・・・・・・・・・・・・・あのー
なんかそれって屁理屈に聞こえるんですけど？

グドサドラー
「なにが屁理屈だ、この野郎！！！」

バシバシ！！！

ぎゃあ！！！
また頭をハサミで！！！

グドサドラー
「怪獣っていうのはいろんな姿をしてるのが普通なんだよ。
他の怪獣に似てるとか、そんなことで存在を否定されるのがいかに歪んだ考えであるのかがお前にはわからんのか？
アフリカにはライオンもジャガーもトラもいる！
みんな猫科の動物でその姿は似ているが、等しく共存してるのだ！
お前、ジャガーに「あなたトラに似てるからパチモンですよ？」とか文句言えるのか？
他の動物に似てようが体の模様が違ったり、ちょっとでも違うところがあればそれは別の動物なんだよ！」

あのー、ちょっといいでしょうか？
トラは確かアフリカにはいないはずですよ。
インドとか東南アジアに生息するものであって・・・・・

グドサドラー
「細かいこと言うんじゃねえ！！！」

バシバシバシイイイイ！！！！

あぎゃーーーーーー！！！！！

グドサドラー
「そもそも、そんな細かいこといちいち言ってるからダメなんだよ！
見ろよ、このアフリカの広大な大自然！
このアフリカのように広い心を持たなければ、パチモン怪獣を理解することは出来んのだ！」

それは多少のことは目をつぶって見逃せ、ってことでしょうかね？

グドサドラー
「そうとも言うな。
ま、あんまり細かいことをグチグチ言うようではパチモン怪獣にはつきあっていけんということだ」

な、なるほど・・・・・わかりました
アフリカのように広い心を持って、多少のアレは黙って見逃すのがパチモン怪獣を理解するには必要なんですね？

グドサドラー
「そういうことだ。
それからなー、お前ら怪獣って１つの種類につき１匹しかいない、って勘違いしてるんじゃないか？」

え？

グドサドラー
「ゴジラのラストで志村喬演じる山根博士が言ったセリフを言ってみろよ」

えーと、確か・・・・・
「あれが最後の１匹とは思えん」、「第２のゴジラが居るに違いない」
みたいなことを言ってたような・・・・・

グドサドラー
「そうだろ？どんな生き物だって１つの種族が１つの個体しか存在しないなんてことはありえねえだろ？
怪獣だっていっぱいいるんだよ。
ゴジラだって初代ゴジラ、２代目ゴジラ、キンゴジ、モスゴジ、いっぱいいるじゃねえか？
そして同じゴジラでもよく見れば、その姿は他とはちょっと違ってたりするだろ？」

うーむ、言われてみれば・・・・・

グドサドラー
「だから似てる怪獣ってのは同じ種族で、また別の個体なんだよ。
雪男みたいな怪獣がいて、その中の１匹はギガスと呼ばれてウルトラマンに出てきた。
それと同じ種類の怪獣でちょっと顔がゴリラっぽいのがサイハタリってやつでヨコプロのカードになった。
しかし同じ種族で別の個体だってだけなのに、テレビに出てこなかったってだけでサイハタリはパチモン呼ばわりされちまってる。
これって失礼だと思わないか？」

そ、そうですね・・・・
ギガスに似てるからサイハタリってパチモンだと思ってましたが、似てるのは当たり前なんですね。
同じ種類なんだから・・・・

グドサドラー
「お前ら人間だって、同じホモ・サピエンスでも日本人、アメリカ人、アフリカ人といろいろいて、それぞれちょっとずつ違ってるじゃねえか？
お前アメリカ人に、日本人って人間のパチモンですね、って言われたらどういう気分だ？」

ムカつきますね！
人種が違うだけで同じ人間だっつーの！

グドサドラー
「また、同じ日本人でもみんな顔が違うだろ？
キムタクもいればいかりや長介だっている。
キムタクといかりや長介はぜんぜん顔が違うけど同じ日本人だろ？」

おっしゃるとおりで・・・・・・・・
しかし、なんでアフリカの怪獣がいかりや長介知ってるんですか？

グドサドラー
「俺はドリフが大好きだったのだ。
まあ、とにかくお前らはテレビや映画に出てくるってだけでありがたがるのがおかしいんだよ。
テレビや映画に出てこない怪獣だっていっぱいいるんだ。
っていうか、そういう怪獣のほうが普通なんだよ。
お前らテレビや映画に出ない人間は認めないってか？
それじゃあ芸能人以外の人間はぜんぶパチモンかよ？」

いやいやとんでもないです。
なるほど、テレビや映画に出てくる怪獣だけを本物だと認めてパチモン怪獣を否定してきた自分が間違ってました。

グドサドラー
「ようやくわかったようだな。
つまりはパチモン怪獣こそが怪獣のもっとも自然な姿、かつ真の姿であるということだ。
テレビとか映画に出てくる怪獣はあくまで例外。
そんなもんばっかりありがたがってるといつまでたっても怪獣の真実はわからんぞ」

はい！
ぼくはもうパチモン怪獣を否定したりしません！
パチモン怪獣こそが本当の怪獣の姿だったんですね！

グドサドラー
「よーし！おまえもやっと一人前になったじゃねえか！」

グドサドラーさん、今日は大切なことを教えてくださいましてありがとうございました！

グドサドラー
「あ？なんだと？
おまえ、今なんつった？」

え？
えーと・・・・・グドサドラーさん、今日は大切なことを・・・・

グドサドラー
「だれがグドサドラーだ、ゴルアアアアア！！！！！」

バシバシバシバシバシ！！！！！

ウギャアアアアアアアアア！！！！！！

グドサドラー
「俺はグドサドラーじゃねえ！！！！
サドグドラーだ！！！
名前間違えるんじゃねえええええ！！！！！」

って、ちょっと違うだけじゃないですかーーーーー！！！
そんな細かいことパチモン怪獣が言ってんじゃねーーーー！！！

サドグドラー
「なにおーーーーー！！！
俺は細かい違いが許せない性格なんだよー！！！」

ひぎゃああああああああ！！！！！！！！
ちくしょう！！！
やっぱりパチモン怪獣なんて大嫌いだーーーーーー！！！


今回の画像は「ｒｏｏｍ１０３」の管理人１０３さんから許可を得て掲載させていただきました。
１０３さん、ありがとうございました！