リッガー

リッガーはウルトラセブン、「散歩する惑星」に登場するメカニカル怪獣です。
「散歩する惑星」が、どういうエピソードかというと・・・・・・実は説明できないんです。
いや、ビデオで見てはいるんですがこのエピソード、なんだかよく理解できない。

空飛ぶ島のような小惑星が地球に飛来する。
ウルトラ警備隊は調査に向かい、その島（惑星？）にウルトラホークを着陸させるんですが、そこにはなにもない荒野が広がっている。
建物のようなものも発見するんですがまったくの無人。
いったいこれはなんだ？
よく理解できないままさ迷っていると怪獣リッガーが現われウルトラ警備隊に襲いかかります。
ダンはセブンに変身しようとするが、なにか島から発射されているらしい電磁波の影響で変身できないため、カプセル怪獣アギラを使う。
アギラとリッガーの対決！
アギラは善戦するものの、最後はリッガーに敗北。
ダン達は無人の基地のようなところで電磁波発生装置を破壊。
ダンはセブンに変身してリッガーと戦いアイスラッガーで首を切り落とす。
なにかリッガーの首が島の誘導装置になっているようでセブンはリッガーの首を抱え､宇宙に向かう。
リッガーの首についていく空飛ぶ島。
そして宇宙で爆発する・・・・・・・・・・。

というストーリーなんですが、はてさて、いったい何がどうなっているのやらさっぱりわかりません。
この空飛ぶ島の正体は？
建物に誰も住んでいなかったのはなぜ？
この島はいったい何をしに地球へやってきたのか？
この島を地球に送り込んだものは誰？
なんの目的があったのか？
何の説明もないんですよね。

空飛ぶ島と、無人の建物という存在がなにやら謎めいていて神秘的ではあるんですが、なんの説明もされていないのでこの空飛ぶ島は宇宙人が地球侵略のために送り込んだものなのか、それともそんな意思はなく、自然に漂着しただけのものなのかさっぱりわかりません。
謎は謎のまま終わってしまう。
なんだかすっきりしない話です。
脚本が説明不足であるのか、それとも神秘性を高めるために、わざと謎のままにしたのか？
どっちなのかわからない、なんだか座りの悪いエピソードです。
もしかして俺の頭が悪くてストーリーが理解できないのではないかと、ちょっと心配なんですが、みなさん「散歩する惑星」のストーリーを理解出来てるんでしょうか？
ああ、ストーリーが理解できてないのが俺だけだったらどうしよう！
俺ってすごいバカなんじゃないだろうか？？？

そんなわけで「散歩する惑星」というエピソードについてはさっぱりわからないので、面白いのかつまらないのかさえもわからないのですが、ただ登場する怪獣リッガーは好きですね。
リッガーというとアギラと戦った怪獣として有名・・・・・というかむしろアギラのほうばかりが話題に登ってリッガーってあんまり語られる機会の少ない怪獣なんですよね。
リッガーが話題に登ったとしてもそれは「アギラと戦った怪獣」ということしか語らえない不憫な怪獣です。
これは決してリッガーが魅力のない怪獣というわけではなくて、アギラが人気ありすぎるんですよね。
ウィンダム、ミクラスときて、いよいよ新しいカプセル怪獣登場！というところに怪獣ファンの目はついつい注目してしまいました。
そのアギラが、これまた実にかっこよく、なおかつキュートであったものだからたちまち人気怪獣になってしまいます。
ああ、アギラはいいよなあ～・・・・・・・・・・・ところでアギラと戦った怪獣ってなんだったっけ？
そんな感じでリッガーはアギラの影に隠れてしまったような印象があるんですよね。
確かにアギラはデザインも存在感も素晴らしい名怪獣でありますが、しかしリッガーだって負けてはいないと思うんですよね。
首の長い竜、というよりもむしろ馬を思わせる流れるような体のラインが実に美しい怪獣です。
怪獣の姿をしていますが「メカニカル怪獣」という別称から実はロボットであるようです。

恐竜戦車もそうでしたが、リッガーも一見怪獣のように見えながら実はロボットというケースですね。
セブンは未来感覚、ハードなＳＦ性を重視していたため、怪獣よりはロボットのほうがしっくりくる、とスタッフは認識していたんじゃないかと思いますね。
キングジョー、ユートム、クレージーゴン、ナース、アイアンロックスとセブンにはロボットの怪獣が多いですよね。
リッガーもそんなロボット怪獣のひとつです。

リッガーのロボットを思わせる部分は瞳のない赤い目でしょう。
黒目がない、というところはなんだか血が通わない機械的な印象があります。
最近の怪獣には黒目がない物が多く、そういう怪獣は確かにかっこよくはあるんですが、なんだか生命感が感じられず若干不満に思っているんですが、しかしリッガーに限っては瞳が無く、機械的であるところが逆にクールでかっこいい、と思ってしまいます。
まさにメカニカル怪獣といった雰囲気が漂いますね。
これで黒目があったらリッガーは「メカニカル怪獣」であるという説得力を失ってしまったように思います。
リッガーの赤い目はクールでハードなＳＦドラマであるセブンにしっくりなじんでいると思いますね。

リッガーをデザインしたのはセブンの怪獣デザインを成田亨からバトンタッチした池谷仙克。
成田亨が去ったあと、ウルトラ怪獣のデザインを引き継げる者は彼しかいなかったでしょう。
独創的で若々しいセンスによる素晴らしいデザインの怪獣を次々と生み出した天才モンスター・クリエイターです。
アギラ、ダリー、ガッツ星人と池谷デザイン怪獣はどれも傑作ですが、このリッガーも美しい姿のいい怪獣です。
池谷氏は「帰ってきたウルトラマン」の怪獣デザインも手がけますがそこでも才能を発揮し、素晴らしい怪獣を生み出しました。
なかでもキングザウルス３世はリッガーのデザインをさらに発展させ生み出された４足歩行怪獣の最高傑作ではないかと思います。
キングザウルス３世が好きな人はリッガーにも目を向けてみてはいかがでしょう？
どうです？かっこいいでしょう？

リッガーにはなにか気品があるように感じられるんですよね。
デザインが美しく落ち着いているため、迫力があって強そうな怪獣やユニークで愛嬌のある怪獣に比べてインパクトが少なく、そのせいで見過ごされているんじゃないかって思います。
小さな子供の怪獣ファンでリッガーが好きって子はあんまりいないんじゃないかと思います。
逆にそんな子がいたら、かなりの通だと思いますね。
リッガーは、押し付けがましくない、上品で落ち着いた「大人の怪獣」だと思います。
大人になった今でも怪獣が好きなナイスミドルの怪獣ファンのみなさん。
どうです？リッガーっていいでしょう？
大人になって初めてその良さがわかる・・・・・・・リッガーってそんな怪獣だと思うんですよね。