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![]() 異端の映画監督、実相寺昭雄氏が11月29日、69歳でこの世を去りました。 ウルトラマン、ウルトラセブンをはじめとする円谷特撮における数々の傑作エピソードを監督し、怪獣ファンから絶大な人気を得ている実相寺監督のあまりに早すぎる死に謹んでご冥福をお祈りいたします。 実相寺監督はウルトラマン、ウルトラセブンにおける傑作エピソードを監督したのをはじめ、怪獣が出てこないにも関わらず怪獣ファンから絶大な人気を誇るカルト番組「怪奇大作戦」のいくつかのエピソード、中でも傑作と名高い「京都買います」などを監督していました。 また「シルバー仮面」という今なお傑作として半ば伝説化しているヒーロー番組を監督していました。 「シルバー仮面」は放送当時、円谷プロの「ミラーマン」の裏番組であり、実相寺監督はあえて古巣の円谷プロと真っ向から挑戦する形で、これまでにない新しいヒーロー番組として「シルバー仮面」に取り組んでいましたが、相手が特撮ヒーローの世界では絶対的な人気を誇る円谷プロのヒーロー番組であったことと、あまりにも斬新過ぎる内容に困惑した視聴者がついていけなかったなどの理由からシルバー仮面は視聴率的には惨敗し、放送途中で路線変更を余儀なくされたシルバー仮面は「シルバー仮面ジャイアント」とタイトルを改め、ごく普通のヒーロー番組になってしまったのです。 自分は「シルバー仮面」に関する記憶はほとんどないのですが(幼稚園ぐらいのときに見ていたような気はするのですが)、こうしたエピソードを聞く限りでは「シルバー仮面」はかなりの野心作であり、そして特撮ヒーロー番組に斬新な風を吹き込もうとしていた実相寺監督の旺盛な冒険心、実験精神は伝わってきます。 実相寺監督は特撮ヒーロー番組を単なる子供向けの番組などではなく、自分の芸術家としての表現衝動を発揮する場として捉えていたのだと思います。 シルバー仮面は最近新しい解釈でリメイクされ、そのリメイク版シルバー仮面「シルバー假面」の監督も努めていましたが、これが実相寺監督の遺作となってしまいました。 またウルトラマンを監督していながら実相寺監督は、新しい風を吹き込むこと、自身の映像作家としての美意識をフィルムに収めることにこだわっていました。 ウルトラマンに引き続きウルトラセブンでもいくつかのエピソードを監督しましたが、あのメトロン星人のエピソード「狙われた街」ではファンの間で今なお語り継がれる名場面、 「宇宙人が木造アパートに部屋を借りていてちゃぶ台の前に座っている」 という常人には考え付かないような不思議な映像を撮り上げました。 日常と非日常がその境目を失い溶け合ったかのような、摩訶不思議な光景。 こんなイメージを考え付く人間は他に見当たりません。 実相寺監督は常人からは大きく離れた異質な美意識を持った映像作家であったと思います。 異質、異端ゆえ、彼の発言はエキセントリックな発言が多く、物議をかもすことの多かった人物でもありました。 ウルトラマンを監督していながら「スペシウム光線は嫌い」、「科学特捜隊の車は嫌い」などと、あえてウルトラマンの世界観に異を唱え、周囲を困惑させることも多かったようです。 テレスドンという強敵に対してウルトラマンが必殺技のスペシウム光線を使わずに首投げだけで倒したのも実相寺監督のこだわりゆえにでありました。 しかしウルトラマンの世界観の1部を否定するとともに、ウルトラマンという番組の世界観を広げてきたのも実相寺監督でした。 シーボーズの「怪獣墓場」では、宇宙のどこかに存在する、怪獣の魂が眠る場所、「怪獣墓場」というファンタジックな空間を生み出し、ウルトラマンという番組をあえて非科学的にして、それゆえに科学の枠では収まらない広い世界観を与えました。 子供の純粋な心が生み出した怪獣が実体化するという優しくメルヘンなエピソード「恐怖の宇宙線」(ガバドン) 人間の手によって怪獣と化してしまった宇宙飛行士の悲劇を書き「怪獣=悪」、「人間、ウルトラマン=善」という構図に揺さぶりをかけた「故郷は地球」(ジャミラ) ハヤタ隊員がベータカプセルと間違ってさっきまでカレーを食べるのに使っていたスプーンで変身しようとしたおかしなシーンが今でも人気の「空からの贈り物」(スカイドン) どれもウルトラマンの世界観から1歩下がって、新しい視点を盛り込み、そしてその世界観をさらに大きく広いものへと変えようという意思が実相寺監督のエピソードにはありました。 そうした実相寺監督の姿勢はウルトラマンの世界観に対する批評意識がバックグラウンドにありました。 あえてアンチ・ウルトラマンの姿勢をとることで他のウルトラマンのエピソードとは毛色の違った物語や映像を作り上げていった実相寺監督はともすればウルトラファンから批判されてもおかしくないと思えるのですが彼の撮りあげたエピソードのどれもが傑作であり、ウルトラシリーズの、また怪獣番組の名作となっていることから不思議と実相寺監督批判の声は少ないのであります。 (しかし、そんな中であえてアンチ実相寺を唱える方が怪獣ブログの常連さんにおりまして、自分は実相寺昭雄批判が1つも無いことの不自然さを感じていたため、逆に感動しておりました。 言うまでも無く、それはアンチマターさんのことなのですがw 神同然に崇拝されている実相寺監督を批判することは勇気の要ることであると思いますが、それでも自分の意見をはっきり言ったアンチマターさんを尊敬しています) ウルトラマンという強固な世界観の中にあえて自身の美意識を取り入れ、結果的に世界観を大きく広げていったのが実相寺監督であります。 考えてみればかなり危険の大きなことをしていたと思いますが、世界観を破壊することにより、より世界観を広げていっただけでなく、いつまでも怪獣ファンの心に残るような名作を撮りあげた実相寺監督はやはり天才的であったというより他はありません。 実相寺監督はウルトラシリーズというメジャーな作品を撮りながらも、その精神はアングラで実験的な芸術家としての美意識と既存のものに対する反骨を常に持ち続けた稀に見る異端でアナーキーな映像作家であったと思います。 非常に癖が強くウルトラシリーズは例外的にメジャーでありますが、やはり本質はアングラなオーバーグラウンドではまず見つからないタイプの監督でした。 しかし彼の作品は実相寺昭雄以外には撮ることの出来ない唯一無比の作品ばかりであったと思います。 それだけに実相寺昭雄という類稀なる才能を失ってしまったことは非常に惜しまれます。 彼のように映像を撮ることが出来る人間は、おそらく他にはいないと思われるからです。 最近は特撮界に大きな偉業を成し遂げた方々の訃報が相次ぎ、非常に寂しく残念に思うことが多いです。 偉業を成した後の死は幸せであるとも思いますが、しかし彼らの作品をこれからももっともっと見たかったと思う気持ちもあります。 実相寺監督の死もまさにそれで、彼の独特の映像美に貫かれた作品の数々をもっと見たかったです。 なぜなら実相寺監督の作品は実相寺監督でなければ撮れないからです。 本当に惜しい方をなくしたという想いが大きくて辛い気持ちになります。 今は実相寺監督は宇宙のどこかにある「怪獣墓場」にいて、久しぶりにシーボーズや、その他の怪獣たちに会いに行っているのかもしれません。 静かに眠る怪獣たちを起こさないように、ちょっとだけ引いたところで怪獣たちの寝顔を眺めているのかもしれません。 異端視され続けていた実相寺監督は、同じく怪獣というだけで恐れられていたシーボーズや他の怪獣たちと自分を重ね合わせていたのかもしれません。 しかし、怪獣もそして実相寺監督も、私たち怪獣ファンからいつまでも愛され続けています。 怪獣が正義のヒーローに倒されても、怪獣好きのファンからはいつまでも忘れられることなく愛され続けているように、実相寺監督もまた、亡くなられた後もずっとファンから深い敬意と夢を与えてくれた感謝の念と、そして彼の撮った作品に対する愛情を抱かれ続けるのです。 実相寺昭雄監督、安らかにお眠り下さい。
by pulog1
| 2006-12-05 20:08
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