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![]() 前回に引き続き、ウルトラマンのパート2です。 前回の記事を書き終えて改めて思ったのですが、巨大ヒーローの基本モデルともいえるウルトラマンの誕生の元となったのは、怪獣だったということに遅まきながら衝撃を受けています。 怪獣ベムラー(ウルトラマン第1話に登場した怪獣ではなくてウルトラマンの企画段階でデザインされたウルトラマンの元となる怪獣)から始まって、それを次第に怪獣から遠ざけるデザインを繰り返しようやく生まれたウルトラマン。 しかしウルトラマンも元を辿れば怪獣だった・・・・・・。 ちょっと驚きです。 怪獣退治の専門家ウルトラマンのルーツは怪獣・・・・ヒーローの誕生も怪獣から始まった、怪獣なくしてウルトラマンは生まれ得なかった・・・・・・・・。 ウルトラマンさえ生み出してしまう「怪獣」という存在の内包する「新たなものを生み出す力」の大きさには改めて驚かされてしまいます。 さて、怪獣を経て誕生したウルトラマンですが、かつて存在しなかった巨大ヒーローとしての基本を確立させます。 科学特捜隊に代表される怪獣討伐部隊の存在と、その部隊に所属する隊員の1人が「変身」する、という巨大ヒーローものの王道パターンをウルトラマンは始めて確立しました。 言うまでもなくハヤタ隊員がウルトラマンから授かったベータカプセルを手に空に向かって高く掲げることによってウルトラマンに変身するというおなじみの設定は、その後の巨大ヒーローものに脈々と受け継がれる伝統の最初でありました。 ウルトラセブンはモロボシダンがウルトラアイを目に当てることで、ウルトラマンAはウルトラリングを合わせる事によって、ウルトラマンタロウはウルトラバッジを高く掲げることによって、ウルトラマンレオは指にはめたレオリングによって巨大ヒーローへと変身します。 変身グッズを使用しない帰ってきたウルトラマンという例外もありますが、おおよそ初代ウルトラマンの変身パターンがその後に続く巨大変身ヒーローに継承されていきます。 また、ヒーローに変身する主人公は自分の正体がヒーローであることを隠し、知られないよう腐心する、という点もウルトラマンは確立しました。 ・・・・・・・・と、書いて、実はそれ以前もヒーローは自分の正体を隠すというパターンが確立されていたことに思い至りましたね。 スーパーマンのクラーク・ケントは自分の正体を隠していましたし、「どこの誰かは知らないけれど」の月光仮面の正体は探偵の祝十郎でした。 変身ヒーローが自分の正体を隠すというのはウルトラマン以前に確立された伝統であったようです。 たしかにヒーローの正体が自分であると言うことを公言するのは様様なトラブルを招く怖れが予想され納得できますね。 逆に現在放送中の「仮面ライダー響鬼」のように平気で自分がライダーであることを喋ってしまうのは型破りで、新しいパターンだと思ってしまいます。 正体を隠しつつ、変身して怪獣と戦うというのがヒーローの基本であり王道ですね。 またウルトラマンの特徴として変身後は(基本的に)人語を喋らず、「ジョワ!」、「ヘアッツ!」という独特の掛け声を放つ、という点があげられます。 変身後の巨大ヒーローは人間の言葉を喋らず、このような掛け声だけを発声するというのは後の作品にもおおむね引き継がれているようです。 例外的に人語を喋るときもありますが(ウルトラマンが始めて登場し、ハヤタにベータカプセルを授ける場面や、ガバドンを宇宙に連れ去った後に夜空から子供達に話しかける場面など)、やはり巨大ヒーローは喋らないのが基本。 巨大ヒーローが人間とは違う神秘的な存在であるということを表現しているものだと思われます。 ウルトラマンを象徴する「シュワッチ!」という掛け声は、実は番組中ではそれほど言っていないという指摘が、特撮ライターによって言われたらしいですが、そうなんでしょうか? なんとなくウルトラマンはいつでも「シュワッチ」と言って空を飛んでいたというイメージがあるのですが、気のせいだったのかな? そうそう、空を飛ぶ、というのもウルトラマンの特徴のひとつですね。 これはスーパーマンの能力をそのまま頂いた設定だと思いますが、巨大な超人がマッハで空を飛ぶ、というヴィジュアルは言葉に表せないかっこよさがあります。 「空を自由自在に飛ぶ」という能力は人類不変の夢であり、ヒーローにはまず欠かせないものなのかも知れません。 もっとも仮面ライダーの伝統から等身大ヒーローは空を飛べない、というのが伝統になっているようです。 例外はスカイライダーですね。 そしてなんといってもウルトラマンの最大の特徴はスペシウム光線でしょう。 ゴジラの口から吐く放射能火炎などの技を、ヒーロー風にアレンジしたと思われるこの必殺技。 スペシウムをくらった怪獣は爆発四散し、このスペシウムを放つことがウルトラマンの戦いのフィニッシュを決めるものであり、後の巨大ヒーローにおいても、戦いの勝利を決定付ける「光線技」を放つことが伝統となります。 かように巨大ヒーローものの伝統、基本設定をその元祖にしてすでに確立してしまったウルトラマンは、やはり偉大な存在です。 他の幾多の巨大ヒーローは、このウルトラマンの基本フォーマットを踏襲し、アレンジを加えることによって独自性を打ち出していったものであると言えます。 全ての巨大ヒーローのルーツであるウルトラマン。 その存在の大きさは計り知れません。 そんなウルトラマンですが、変身前のハヤタ隊員というキャラクターはすでに「正体はウルトラマンである」という時点でキャラが立っていますので、ハヤタ単体では、それほどの個性を持っていないように思えます。 ヒーローである、という以上に際立った特色が見られない。 もちろんハヤタは勇敢で正義感が強い、ヒーローにふさわしい人物です。 しかし物語に積極的に関わってきたのはハヤタをとりまく科特隊のメンバーでありました。 イデ隊員やアラシ隊員、ムラマツキャップにフジ隊員といった個性豊かなメンバーによってウルトラマンというドラマは雄弁に物語れていったと思います。 ハヤタ隊員は、人間とは違う、実はウルトラマンでありという、ある種の神として、1歩引いた超然としたスタンスをとっていました。 ウルトラマンの物語、様様な怪事件へ積極的に関わり、人間の立場から、そのストーリーを雄弁に物語っていたのはイデ、アラシ、ムラマツ、フジ隊員であったと番組を見て思われます。 ヒーローであるハヤタはもちろん重要な存在でしたが、ウルトラマンという物語をかくも豊かなものにしていたのは科特隊のメンバーであったと思います。 特にイデ隊員は作品にこめられたテーマを代弁する、ウルトラマンという物語の語り部として配置された重要なキャラであると思います。 非常に人間味あふれ、かつユーモラスなイデ隊員のことが俺は好きで、正直ハヤタ隊員以上にファンであります。 彼のウルトラマンというシリーズの中での重要性はジャミラのエピソードで最も大きくクローズアップされていると思います。 ウルトラマンという物語は巨大な神のごときヒーロー、ウルトラマンと、そして科特隊メンバーによって語られたものだと思います。 科特隊はウルトラマンという物語に「人間性」を加味する存在でありました。 ウルトラマンは神の視点から、そして科特隊は人間の視点から、同時に物語を語っていたのです。 つまりウルトラマンは聖なる神と人間の物語、「神話」ではなかったかと自分は思います。 もちろん「ウルトラマン」という番組は「怪獣」の物語でもあります。 それぞれの怪獣1匹1匹が「物語」を内包していました。 そうした怪獣の抱える「物語」を読み解くのが、怪獣ファンにとっての醍醐味であり、「ウルトラマン」という番組の面白さでもありました。 「ウルトラマン」という番組のなかで語られた様様なエピソードには「神話」としての要素が多分にあり、興味が尽きないものであります。 今後も「怪獣ブログ」では怪獣を通して見えてくる様様な「物語」について考察していきたいと思います。 なんにせよ「ウルトラマン」という奇跡的な「神話」の登場によって、怪獣ファン、ヒーローファンは無類の喜びを得ることが出来ました。 ありがとうウルトラマン! 40年を経た今でもウルトラマンと、彼の戦った怪獣は、我々怪獣ファンの胸の中で燦然と輝きつづけているのです。 ![]() ▲
by pulog1
| 2005-04-30 13:17
![]() 今回は「怪獣ブログ」、記念すべき100回目の記事です。 去年の7月にスタートした「怪獣ブログ」ですが、何度かパソコンのトラブルで休載を繰り返し、さらに管理人である自分の怠け癖によって更新が止まり気味であったブログですが、なんだかんだで100回続けることが出来ました。 これも「怪獣ブログ」を応援してくださったたくさんの怪獣ファンのみなさまのおかげです。 厚くお礼申し上げます。 「怪獣ブログ」を始めた動機はもちろん自分が怪獣が大好きだという理由からです。 怪獣についてなにか語りたいという気持ちをずっと持ちつづけていたのですが、それを発表する場というものがなく、常に怪獣への熱い思いの捌け口を探しつづけていましたが、ブログという簡単に自分の思いや感想を発表できるツールを手にして、ようやく長年の夢だった怪獣について好きなことを語る場を手に入れました。 インターネットをやりはじめた当初から怪獣のホームページを作りたい、と思いつづけていたのですが、ホームページの作成は自分にとっては難しく、なかなか実現出来ませんでした。 しかしホームページの作成以上に作るのが簡単なブログの登場により、ようやく怪獣のブログを作ることが出来、やっと念願が叶った思いでした。 タイトルもシンプルに「怪獣ブログ」にしてみました。 どのようなスタイルにするかは記事を書いていくうちに自然に決まりました。 毎回、1匹の怪獣を取上げ、その怪獣に纏わる雑感を述べていくという「怪獣コラム」になりました。 このスタイルは怪獣ムック本「怪獣魂」の怪獣コラムページを大変面白く思っていたためです。 怪獣に関するコラムというものはありそうでなかなかみかけません。 もっとこうした怪獣コラムを読みたいという気持ちがありました。 ならば自分でそういうものを書いてみようと思い立ったのです。 なにしろ怪獣に関しては語りたいことがたくさんあります。 それこそ何千、何万といる怪獣の1体1体にそれぞれ思い入れがあります。 そうした思い入れを語ることで自然と記事が出来あがっていきました。 俺の書いた怪獣記事は多分にひとりよがりなものではありましたが、それでもそれぞれの怪獣に対する思い入れの深さは本物であると自負しています。 しかしひとりよがりな記事ではありますがそれを面白いといって読んでくださる方がたくさんいらっしゃったことは大きな驚きであると共に喜びでありました。 楽しんで読んでくださる方がいらっしゃることが大変うれしくがんばって記事を書いていこうという気持ちにさせられました。 本当に怪獣ブログは閲覧していただいたみなさん、コメントを書いてくださったみなさんのおかげで続けることが出来ました。 深く深く感謝しております。 さて、記念すべき100件目の記事をなににしようかと考えて、今まで記事を書いていないもので、怪獣を語る上では絶対に欠かせない重要な存在、すなわち怪獣たちと立派に戦いつづけた我らがヒーロー、ウルトラマンについて書こうと思いました。 ちょうど前の記事が「ニセウルトラマン」でもありますし、ウルトラマンについても語る必要があると思いました。 怪獣とヒーローを明確に区別するとしたらウルトラマンは怪獣ではありません。 しかしウルトラマンがいてこその怪獣である、と言えます。 同時に怪獣がいたからこそのウルトラマンでもあり、両者は切っても切り離せない存在であります。 光の国からやってきた正義の巨人。 ウルトラマンはヒーローの歴史において、もっとも大きな革命をもたらした存在です。 ウルトラマンが登場する以前は怪獣とヒーローは住む世界が違っていました。 「ゴジラ」に代表される怪獣映画、および「ウルトラマン」の前番組「ウルトラQ」には怪獣は出てきましたが、怪獣と戦うヒーローというものは登場しませんでした。 また、ウルトラマン以前のヒーロー、「月光仮面」は、「マンモスコング」という怪獣が登場したことはありましたが、月光仮面という番組の中で特異なエピソードであり、月光仮面が戦うのはもっぱら人間である悪党でありました。 なにより月光仮面自体が生身の人間でありますから巨大な怪獣と戦うことは不可能であります。 ヒーローが巨大な怪獣とがっぷりと取っ組み合いの戦いを演じるにはヒーローが人間であっては不可能でありました。 怪獣と対等に戦うことが可能なヒーローとして発案されたのが「人間ではなく宇宙人」であり、「巨大な怪獣と対等に渡り合える巨人」でありました。 そして登場したのがウルトラマン・・・・・・と言いたい所ですが、実はこのまったく独自の発想と思われていた「巨大ヒーロー」というアイディアがウルトラマンとほぼ同時進行でもう1つあったのです。 それは我が日本が誇る漫画の神、手塚治虫の原作による「マグマ大使」でありました。 ウルトラマンよりもわずか1週間早くテレビのブラウン管に登場した怪獣と対決する巨大ヒーロー。 この怪獣史、ヒーロー史に革命をもたらす存在がほぼ同時に2つ登場したのです。 「マグマ大使」、「ウルトラマン」はそれぞれ怪獣と対決すると同時に番組としても火花を散らす戦いを行っていたといえます。 結果はウルトラマンの圧勝でした。 マグマ大使も斬新であり、魅力あるヒーローであったのですが、ウルトラマンにはかないませんでした。 ウルトラマンはちょっと言葉に言い表せないほどにかっこよかったからです。 怪獣マニアである漫画家の唐沢なおきが「怪獣王」という本の中で、 「今はウルトラマンはヒーローの基本として見慣れたものになっているが登場した当初はあまりに革新的で度肝を抜いた。まるでルーツの見当たらない突然変異のようなヒーローだった」 と語っています。 自分は生まれたときからすでにウルトラマンが存在している時代に生まれました。 しかしリアルタイムで「ウルトラQ」から「ウルトラマン」に移行した過程を見た当時の子供達はさぞかし驚いたことと思います。 まず、ウルトラマンを見て「これは一体なんなのか?」とびっくりしたのではないでしょうか? ウルトラマンのスーツは、月光仮面が身に纏うコスチュームではなく、どうやらそれ自体が地肌であるようです。 両手を交差させ発射するスペシウム光線という特殊能力にも驚いたと思います。 そしてなにより怪獣と同じサイズの巨大であることなど、ウルトラマンは、それまでまったく前例の無い新しいヒーローだったのですから。 まさにヒーローの革命、ヒーローの突然変異であったウルトラマンですが、やはりこのウルトラマンが誕生するまでは様様な試行錯誤が繰り返され、難産の末にようやく誕生したものだったようです。 ウルトラQの後番組として企画されていたのは、やはりウルトラQと同様、毎回怪獣が登場する番組にしよう、そしてヒーローものの要素を加え、ヒーローと戦う悪漢の位置に怪獣を配置しよう、というものでありました。 怪獣はすでに東宝のゴジラ映画とウルトラQにおいて基本は確立されています。 しかし「怪獣と戦うヒーロー」には前例がありません。 ゼロから作り出さなくてはいけませんでした。 ウルトラマンに至る以前、まずはベムラーというヒーローというよりは、やはり怪獣が発案されます。 ベムラーはインドの神ガルーダにそっくりな鳥の怪獣であり、あの日活の怪獣「大巨獣ガッパ」そっくりなデザインでした。 この案はボツになりましたが、ベムラーはその名前だけがウルトラマンの最初の敵怪獣の名前として採用されます。 そう、あの青い球体に乗って地球に落下した宇宙怪獣ベムラーです。 ベムラーを追ってウルトラマンは地球にやってきました。 ウルトラマンを地球へとやってくるきっかけをつくった重要な怪獣です。 さて、ガルーダ、ガッパにそっくりなベムラーを没にし、怪獣と戦うヒーローはもっと人間に近いものにしようと、さらにデザインが練りこまれていきます。 次に生まれたのがレッドマンというヒーローでした。 「~マン」というネーミングはアメリカを代表するヒーロー「スーパーマン」からの発想でしょう。 レッドマンはベムラーに比べればより人間に近づいた姿をしていますが、やはりまだ怪獣の要素が色濃いデザインでありました。 ウルトラマンの体表の赤い模様やカラータイマーなどはレッドマンのデザインの段階ですでに見られます。 レッドマンのデザインをさらに洗練化し、より怪獣から離れた斬新なものにしようと試行錯誤が繰り返され、ついに怪獣ではない、人間でもない、まったく新しいヒーローとしてウルトラマンが生まれたのでした。 ウルトラマンのデザインは一節によると「能の仮面をモチーフにした」、「弥勒菩薩をモデルにした」と言われていますが、たしかにウルトラマンはどこか神神しい「神」としての存在感を感じさせるものです。 ついに生まれたウルトラマンはその圧倒的なかっこよさで、ヒーローの歴史に革命をもたらし、さらに大人気の「怪獣」と渡り合っても1歩もひけをとらない、「怪獣さえも打ち負かしてしまう圧倒的な存在」として君臨するのでした。 さて、今回はここまでにしてウルトラマンについては次回も引き続き語りたいと思います。 ウルトラマンについてはとても1回では語りきれませんね。 では次回、「ウルトラマン・パート2」をどうぞお楽しみに! ▲
by pulog1
| 2005-04-29 15:26
![]() 俺はウルトラマンの再放送を何度か見ているが、子供のときは早朝にウルトラマンの再放送をしているときがあって、頑張って早起きして見ていたりしたものだった。 子供を早起きさせるのが目的でテレビ局は早朝に子供にとってのキラーコンテンツ、「ウルトラマン」を持ってきたわけだが、そんな大人の策略(?)にまんまとハマり、俺は根性で早起きして見ていた。 しかし、やはり時々寝坊して見逃してしまうときもあった。 まだビデオなんてものがなかった時代、エピソードを1話見逃すと言うことは、次にいつめぐり合えるかわからない、相当大きな損失であった。 いくつか見逃したエピソードがあるウルトラマンを再放送で保管していくしかない。 で、地元ではウルトラマンの再放送が無いときでも、親戚の家に遊びに行ったとき、そこで「ウルトラマン」が再放送しているときがある。 俺はまだ見ぬウルトラエピソードであることを願い、親戚宅で「ウルトラマン」を見せてもらうのだが。そんな時、俺は決まって既に見ているザラブ星人の登場したエピソード「遊星から来た兄弟」ばかり見てしまう。 何度かそういう機会に巡り合ってウルトラマンを見ると、いつもいつもザラブ星人。 俺はまだ見たことが無いゴモラやザラガス、メフィラス星人が見たいのにまたザラブ星人かよ! そういうことがあったため、俺はザラブ星人が好きじゃない。 ザラブ星人はそんなに悪い怪獣、宇宙人ではないのはわかっている。 しかし何度もザラブ星人ばかり見てしまい、すっかり見飽きてしまったせいで、どうしてもこの宇宙人には批判的になってしまう。 口がなんか肛門みたいで下品。 頭でっかちで肩が無くかっこ悪い。 それになんといっても卑怯者である。 ザラブ星人はウルトラ怪獣、宇宙人の中でも屈指の卑怯者であり悪賢い姑息な宇宙人だ。 凶悪宇宙人なんて別名がついているが、「凶悪」よりは「悪質」 なぜかメフィラス星人は悪質宇宙人と呼ばれているが、暴力によって地球を支配することを極力避けようとしていたメフィラス星人よりも、地球人を騙し卑劣な手段で地球侵略を考えていたザラブ星人のほうが「悪質」の名にふさわしい。 ザラブ星人は放射能の霧を発生させ地球人をパニックに陥れるが、自分で発生させた霧を自分で消して 「私はあなたたちの友人。あなたたちが困っていたので助けてあげました」 というようなことをしゃあしゃあと言ってのけ、すっかり友好的な宇宙人の振りをして地球人を騙し、科学特捜隊の中枢に何気ない顔をして侵入する。 しかし当然ザラブ星人の考えていることは科学特捜隊、地球防衛軍を内部から破壊することだ。 さらに陰険なのは地球人の見方であるウルトラマンに変身して都市を破壊するのだ。 ウルトラマンの社会的信用を失墜させるのが目的だ。 なんちゅー陰険で卑劣なやっちゃ! 正々堂々とした勝負を挑まず、卑怯な手段で敵を落とし入れようとする。 ほかのどんな悪い宇宙人でも、少なくとも自分の実力で地球侵略に挑んできたじゃないか? その点、このザラブ星人はセコい。 そんなわけで俺はザラブ星人を好きになれない。 だが・・・・・・・・・・・ それでも俺は、このザラブ星人が変身したニセウルトラマンが好きだったりする。 見てのとおり、ウルトラマンそっくりではあるが目が異様に釣りあがり、一目でこれはウルトラマンじゃないな、とわかるのだが地球人は本当のウルトラマンがなぜかトチ狂って破壊活動をしていると思いこむ。 科特隊のメンバーさえもこれがニセモノではなく本物のウルトラマンだと思いこんだ。 これに関しては 「見ただけでウルトラマンじゃないとわかるのに、なぜみんな騙されたんだ?」 というツッコミがファンの間で以前から言われている。 それに対して 「巨大だから地上から見た場合、あの吊り上がった目が見えず、みんなウルトラマンだと思いこんだ」 とか 「地球人は宇宙人の顔の微妙な違いを見分けられない」 とか いろいろ合理的な説明をつけようとしていたのだが、俺としてはやはりみんな、あの地球人の見方であるはずのウルトラマンが暴れているのでパニックになり、目がおかしいことに気づかなかった、という説を唱えている。 あるいは「なんかウルトラマンが目を吊り上げて怒っているぞ!」とみんな思ったのかもしれない。 ウルトラマンにも表情があり、怒っているときは目が吊り上がるものだと理解したのではないだろうか? どちらにしても本物のウルトラマンが登場しニセウルトラマンと対決するのだから、「あ、こっちの怖い顔のウルトラマンは本物じゃないんだな」とみな気づくわけだが、しかし2人のウルトラマンが対決するという風景は実に不思議で、なかなか面白い対決だと俺は思った。 なんとなくヒーローと、そのニセモノが対決するというのはワクワクする。 仮面ライダーではニセ仮面ライダーが何人も現れて本物と対決するのだから、そのワクワクも数倍に高まったものだった。 ヒーロー対そのニセモノの対決というのはその後のヒーロー物での定番となり、様様なニセヒーローが登場した。 ウルトラマンの後番組、ウルトラセブンでもさっそくニセウルトラセブンが登場したし、ウルトラマンAにはAとの直接対決はなかったものの、エースキラーの実力を証明するためにAそっくりのAロボットが登場、エースキラーに瞬殺される。 他、とにかくヒーローものにはヒーローのニセモノがつきもの。 そのニセヒーローの先駆けとなったのが、このニセウルトラマンである。 このニセウルトラマンテイストが平成ウルトラマンではウルトラマンコスモスと対決する「悪のウルトラマン」、ウルトラマンカオスに引き継がれるわけであるが・・・・・・・・ごめんなさい、俺、平成ウルトラシリーズを見ていないので、この辺のことはちゃんと語れません。 そういえばウルトラマンネクサスにもウルトラマンそっくりの悪のヒーローが登場してましたね。 ウルトラマンそっくりの悪の宇宙人といったらウルトラマンタロウの最終回に登場したバルキー星人を思い出しますが、このバルキー星人、悪い宇宙人だとは信じられないほどにかっこよかったです。 それもそのはず。 バルキー星人は本来はウルトラマンタロウの次のシリーズのウルトラマンとして予定され着ぐるみまで作られたものの、結局ボツになり、その新ウルトラマンの着ぐるみを悪の宇宙人としてリサイクルした、という話しなのです。 タロウの次の新しいウルトラマンは結局ウルトラマンレオになるのですが、実は俺はレオのデザインよりもボツになったバルキー星人のデザインのほうが好きだったりします。 そんなわけで、なぜかヒーローそっくりの悪役、ニセヒーローにはたまらない魅力を感じてしまう俺でした。 ところでこれまで登場したニセヒーローの中で最低のやつは「スカイライダー」の偽物でしょう。 どんなものにも変身できるアメーバー状の怪人ドロリンゴが変身した偽スカイライダーは、スカイライダーそっくりに変身して、なにをやるかと思えば、公園で遊んでいる小さな子供からソフトクリームを取り上げ、「やーいやーい!」といって泣かせます。 挙句の果てには「そんなに食べたけりゃ食え!」と言って泣いている子供の顔にソフトクリームをぐりぐりと押しつけ顔をクリームだらけにさせてイジメます。 「ほれほれ、アイス食べ過ぎてお腹壊しちゃえ!」 なんてことを言ったりするんですが、数ある偽ヒーローのなかでも最低のやつとして強烈に印象に残ってますね。 子供をイジメる仮面ライダー・・・・・・・・ああ、そんなの見たくねえなあ。 子供イジメる以外にやることなかったんだろうか? ▲
by pulog1
| 2005-04-26 12:50
![]() チブル星人はウルトラセブン「アンドロイド0指令」に登場した「宇宙で最も知能が高い」といわれる宇宙人だ。 「チブル」とは沖縄の方言で「頭」という意味らしい。 ウルトラシリーズの脚本家、沖縄出身の金城哲夫が名付け親らしいが、てっきりこの「アンドロイド0指令」のシナリオを書いたのも金城哲夫だと思っていたのだが調べてみたら上原正三の書いたエピソードだった。 それはともかく、一目見てわかるように巨大な頭が特徴の宇宙人だ。 その巨大な頭の中には大きな頭脳が収まっているのであろう。 しかし・・・・・・・・・ 「アンドロイド0指令」でチブル星人がとった行動はとても「宇宙一の頭脳」を持った宇宙人の行うようなことには思えない。 人間に化け、おもちゃに見せかけた本物の兵器を子供たちに配り、子供達を操りその兵器をコントロールすることによって、パニックを引き起こそうとする。 確かに危険で悪質な行動であるが、毎週、大掛かりな地球侵略活動を行う他のセブンの宇宙人達に比べ、ささいで小規模な「犯罪」レベルの行動だ。 そもそもある一定区域の子供達を操り、おもちゃに見せかけた兵器で騒動を起こしたところで何の得があるのか? この程度ではとても地球侵略なんて出来ない。 チブル星人の行ったことは、たいして意味の無い「愉快犯」的な犯行だとしか思えない。 そんなチブル星人が「宇宙一の頭脳」を持っているだなんて首をかしげてしまう。 思うのだが、このセブンに登場したチブル星人はチブル星という惑星を代表して地球侵略を委任されたエージェントなどではなく、多くのチブル星人の中のたった1人、個人が、意味も無く他の惑星である地球に「嫌がらせ」をしに来たのではないだろうか? チブル星人全体がこんな悪質な宇宙人ではなく、たくさんいるチブル星人の中の、たちの悪い1匹が単独で、ただ犯罪を犯したいためだけに地球にやってきたのではないか? 宇宙一の頭脳を持つ宇宙人が惑星規模で地球侵略を実行したとしたら、こんなもんではすまないはずだ。 もっと大掛かりな宇宙大戦争になるはずだ。 セブンに登場したチブル星人はチブル星人という種族の中の1人の犯罪者に過ぎない。 それも、自分の頭脳を過信して、自分の知能の高さを試したいだけで、自分よりもはるかに知能の劣る地球人にたいして嫌がらせを行う愉快犯。 まったく迷惑なやつである。 このチブル星人から受ける印象は実に子供っぽく幼稚だ。 頭はいいにもかかわらず幼稚で馬鹿げている。 それはなんだか現代の少年犯罪者のイメージを思い浮かべてしまう。 学校の成績はいいにも関わらず、精神的には未熟。 そのため善悪の区別や道徳観念が理解できず、ただ面白そうだからといってネットで調べた爆弾の作り方から実際に爆弾を作ってしまい、建物に仕掛け爆発させて世間が騒ぐのを面白がっている。 そんな馬鹿げた行動をとる少年犯罪者とチブル星人の姿はダブる。 実はこのチブル星人は子供なのではないだろうか? 宇宙人の年齢は我々地球人には見た目ではわからない・・・・・・。 「おもちゃ」にこだわっている点、そして美少女ロボット、アンドロイド01などを作って悦に浸っているところなど、「オタクな少年」という姿が思い浮かんでしまう。 頭がよく、オモチャや美少女が好きで、でも道徳観念が薄く犯罪を実行してみたがるオタクな子供・・・・・・・・・・うーん、今はよく居るよなあ、こういう奴・・・・・・。 なんかただただ嫌な奴にしか思えないチブル星人だが、見た目はけっこう好きだ。 いくつもの不思議な形の穴の空いた銀色の頭部のデザインなど、シュルレアリスト、成田亨の優れたデザインセンスがうかがえる。 藤子不二雄の「オバケのQ太郎」そっくりな顔も愛嬌がある。 見た目は可愛いんだけどちょっとヤバい奴って感じで、ますます少年犯罪者のイメージと重なるなあ。 自分もけっこうチブル星人っぽいんだけどね。 頭は良くないけど、おもちゃや美少女が大好きなオタクだし。 でも犯罪だけはしちゃいけないってことはわかってるから、チブル星人を見ると「おいおい・・・そんなしょーもないことやめとけよ」と言ってやりたくなる。 こういうチブル星人的なやつにはセブンみたいなしっかりしたやつが、ガツンとお灸をすえてやらないといかんなあ。 頭がいいぶん、自分を過信しすぎていて痛い目にあわないとわかんないんだよね。 アイスラッガー食らうくらいのことしないと反省しないんじゃないかと思う。 ▲
by pulog1
| 2005-04-24 11:52
![]() みなさん、お久しぶりです。 長らく更新さぼってましてすみませんでした。 さて久しぶりの更新である今回取上げますのは東映70年代変身ヒーローの隠れた人気作品「超人バロム1」に登場したドルゲ魔人です。 「超人バロム1」は「仮面ライダー」のヒットにより続々と等身大変身ヒーローものを作成した東映の作品のうちのひとつです。 東映は「仮面ライダー」の路線を踏襲した、主人公が等身大のヒーローに変身して怪人と戦うパターン、いわゆる「変身ヒーローもの」をいくつも量産します。 「仮面ライダー」の原作者、石森章太郎(後に石ノ森章太郎と改名)はライダー以外にも「人造人間キカイダー」、「キカイダー01」、「イナズマン」、「ロボット刑事」、「変身忍者嵐」、「秘密戦隊ゴレンジャー」、「ジャッカー電撃隊」、「宇宙鉄人キョーダイン」などを原作。 東映のプロデューサー集団の原作グループは「八手三郎」という名前で「アクマイザー3」、「超人ビビューン」、「ザ・カゲスター」、「忍者キャプター」、「快傑ズバット」、「スパイダーマン」、「バトルフィーバーJ(および以後の戦隊シリーズ全て)」、「宇宙刑事ギャバン(および以後のメタルヒーローシリーズ全て)」。 多くの人気ヒーローを生み出し、およそ等身大変身ヒーローものにおいては東映の独壇場でした。 東映ヒーローはほぼ、石森章太郎と八手三郎が原作を務めていましたが、例外的なものとして、なんとあの「ゴルゴ13」で有名な漫画家さいとうたかおが原作を務めた変身ヒーローが「超人バロム1」であります。 東映ヒーローの中では比較的古い1972年、「仮面ライダー」と同時期に放送されていました。 宇宙からきた悪の魔人ドルゲと戦うために2人の親友、力自慢の番長タイプ、木戸猛と、大人びた秀才、白鳥健太郎が「バロムクロス!」の掛け声とともに両腕を交差し、1人の超人、バロム1へと変身するというもので、変身ヒーローとしては珍しく小学生が主人公でありました。 「マッハロッドでブロロロロ~!」という意味不明の擬音を連発する主題歌のインパクトも強烈に印象深く、当時見ていた子供達が大人になった今もよく覚えているという話をよく聞きます。 あの「仮面ライダー」と比較すると影に隠れがちなバロム1ではありますが、なかなか人気のあったヒーローでありました。 そんなバロム1の人気のひとつに、「仮面ライダー」や他の特撮ヒーローではお目にかかれないような、極端に気持ちの悪いドルゲ魔人の魅力があげられます。 名前の後ろに「~ゲルゲ」、「~ルゲ」とつくドルゲ魔人は、まるで子供にトラウマを与えることが目的であるかのようにひたすらグロテスクで醜悪でありました。 ドルゲ魔人は敵の首領、魔人ドルゲの体の1部が怪人化したという設定で、番組前半ではオコゼルゲ、アリゲルゲなど生き物をモチーフにしたものが多かったのですが、番組後半になると体の1部をモチーフにしたものが多くなり、グロテスクさは一層強調されます。 そのあまりに強烈に気味の悪いドルゲ魔人は「低俗下劣」、「子供の情操に悪影響」と子供の親から突き上げをくらい、PTAで問題にされるほどだったのです。 しかし、子供達はそんな不気味なドルゲ魔人を怖いもの見たさが混じった好奇心のまなざしで見つめていました。 ドルゲ魔人は、おそろしく醜悪であったからこそ、子供達の心を捉えたのです。 かくいう俺もその1人。 毎週登場する、びっくり仰天するほどにグロテスクなドルゲ魔人を見ることをとても楽しみにしていました。 お化け屋敷を覗くスリルにも似たものを「超人バロム1」から感じていたのです。 バロム1スタッフにも、お化け屋敷や見世物小屋の感覚を自覚的に番組に取り入れていたのではないかと思います。 「超人バロム1」は、びっくり箱のように「なにがとびだすのか期待させるワクワク感」をドルゲ魔人によって子供達に提供していた番組だと言えるでしょう。 そして気味が悪く醜悪であればあるほど怪獣怪人好きの子供たちはドルゲ魔人に愛着を持ったのであります。 上の画像で紹介しているドルゲ魔人は 左上・ミイラルゲ 右上・クチビルゲ 左下・ノウゲルゲ 右下・ヒャクメルゲ ですが、どいつもこいつも身も蓋もないほどに気持ち悪くグロテスク、そんな中でも1番人気があったのは、やはりドルゲ魔人の中でも特に気持ち悪いヒャクメルゲでありましょう。 ![]() どうです、この気持ち悪さ? 巨大な目が縦についた顔面の強烈なインパクトといったらありません。 この目の形、なんか変なもんを連想させて、違う意味で放送禁止になっちゃいそうですが、かまわずテレビに登場させた当時の東映はおおらかでしたね。 全身を目玉に覆われたヒャクメルゲ、手のひらにまで目玉がくっついています。 数えた人はいないでしょうが、おそらく全部で100個の目がついているのでありましょう。 そういえば日本の妖怪には「百目」とか「もくもくれん」という数多い目玉を持ったものがいます。 ヒャクメルゲをはじめとする、ドルゲ魔人からは日本古来の伝承によって伝えられる「妖怪」のテイストが色濃く漂っているような気がしますね。 恐ろしい異形のもの、奇形、フリークス的なもの。 低俗で悪趣味な好奇心を満足させるお化け屋敷や見世物小屋、フリークスショーなどのテイストをテレビに持ちこみ、「怪人」として形にしたドルゲ魔人。 「なにか見てはいけないものを見ている」 そんな気持ちにさせられます。 それはちょっとした罪悪感とともに、ドキドキするようなスリルを味あわせてくれるものです。 ドルゲ魔人はそんな「罪悪感を伴うスリル」の塊でした。 ドルゲ魔人によってトラウマを負った子供も多いでしょう。 しかし、それはある意味、この世の裏に潜む影やタブーに、おそるおそる触れてみるという甘美で貴重な体験でもあったと思います。 なにも上品で清潔なものばかりが子供の情操を成長させていくものではないでしょう。 ときにはドルゲ魔人のような「強烈な体験」を通して子供の心は成長していくのではないでしょうか? 少なくとも自分はドルゲ魔人から「タブーを犯す快感」のようなものを教育されたような気がします。 いってみれば既存の概念を破壊して新しい価値観を築こうとする芸術運動、シュールレアリズムやダダイズムのような感覚ですね。 なにも上品でお行儀よくしていることばかりがいいことではない。 時にはそうした既存の価値観に挑戦し破壊して新しい領域に進むことが進歩であるときもあります。 そういった、やや過激ではあるものの、進歩的な思想、シュルレアリズム、ダダイズム、そしてアナーキズムなどの、ほんの一片をドルゲ魔人は僕らかつての子供たちに教えていたのだと、俺はそう信じています。 グロテスクであることはなんて魅力あふれるものなのでしょう。 悪趣味と言われようがなんと言われようが、俺はこのやみくもに気持ち悪く醜悪なドルゲ魔人が大好きです。 ▲
by pulog1
| 2005-04-23 12:47
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