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![]() みなさんおひさしぶりです ずっとブログに来ていなくて申し訳ありません ちょっと仕事が忙しくて休日も疲れてブログに来れませんでした コメントもレスしないまま、ずっとため込んでいて申し訳ありません・・・・ さて、前回までの記事で第2次怪獣ブーム終焉期における怪獣の煮詰まりとその後訪れる怪獣氷河期、そして80年代に入ってからの新しい怪獣の時代到来について書きましたが、やはりこの時期、怪獣と並行して怪人においても煮詰まりや閉塞感、そして新たな時代の到来というものがありました 怪獣、怪人ともに山と谷を通過していたわけですね 怪獣についてはウルトラ怪獣を中心に、その過程をなぞって書いたので今回は怪人の栄枯盛衰、そして復活について書きたいと思います 怪人は第2次怪獣ブームの時代、東映が「仮面ライダー」を放送した時期に新しいタイプの怪獣として登場します まあ厳密にいえば仮面ライダーのショッカー怪人以前に「人間のような姿をした怪獣」はウルトラQのセミ人間や、やはり東映の「ジャイアントロボ」のBF団の幹部、マグマ大使のボスキャラ、ゴアなど存在はしていましたが等身大のモンスター、怪人をメインに番組通して登場しヒーローと戦うという基本コンセプトの先駆けは仮面ライダーからではないかと思います 怪獣よりサイズの小さい怪人は怪獣ほどのスケールを感じさせないとして失敗するかと思えば、まったく逆で怪獣ファンからは大歓迎され、主役の仮面ライダーともどもショッカー怪人は大人気となりました 怪人はその体のフォルムが人間とほぼ同じということもあって人間とは異なるフォルムの怪獣よりもはるかにスーツを作りやすく、またスーツを着ての激しい演技も可能となったことで製作サイドからは大いに歓迎されたのではないかと予想できます ヒーローと対決するアクションの面では怪獣には出来なかったスピーディーで激しいスタントが実行可能になり、これまでになかった見せ場を実現します 怪人は低コストでのスーツの製作可能、また激しいアクションを売りにしているところから自分はロックにおけるパンクの登場を重ねて見てしまいますね 楽器のテクニックが無くても(低コストでも)演奏することが出来て、激しく熱いサウンドを(アクションを)表現する 怪人はまさに革命的なモンスターであると思います 旧来のロックの豪快さ、スケール感は無いもののパンクにはスピード感、チープながらもスタイリッシュで切れ味の鋭い先鋭性がありました ロックとパンクの対比はそのまま怪獣と怪人の構図そのものだと自分には思えます イギリスでセックスピストルズが火をつけたパンクムーブメントが発生すると、「俺もパンクをやってみたい!」と思う若者が急増、ぞくぞくとパンクバンドが現れたのと同様、日本の特撮界においても次々と怪人が登場しました もっともこのショッカー・ムーブメントはパンクムーブメントよりずっと前に始まったものですが・・・ 仮面ライダー以降の怪人を東映特撮をメインにざっと見渡してみますと 超人バロム1のドルゲ魔人は、ショッカー怪人よりもさらにグロテスクさを前面に押し出したトラウマ級のハードコア 仮面ライダーV3のデストロン怪人はショッカー怪人をベースに機械との融合を果たしたテクノ路線 キカイダーのダークロボットはショッカー怪人同様、動物や昆虫といった生き物をモチーフに最初はショッカー怪人との差別化はそれほどでもなかったものの、徐々にポップアート感覚を身に着け独自の路線へと進むポストパンク~ニューウェーブ イナズマンのミュータントはそれまでの東映怪人がモチーフに選ばなかったもの、非生物、無機物など怪人になりにくそうなものをあえて選び実験的な怪人を作り出すことを標榜したオルタナティブ イナズマンFのデスパーロボットは機械、メカニックのかっこよさを前面に押し出し、まさに怪人の究極ともいえる人間型軍用兵器でありデジタルロック、クラブハウス アクマイザー3のアクマ族は古典的な恐怖の対象である悪魔をモチーフにし、さながらゴシックパンクといったところでしょうか? というように見事にパンク以降のイギリスのロックミュージックの変遷の歴史を先取りしているかのように見えてきます こうした様々な怪人が生まれ多様化し進化を進めていった全盛期にすこし陰りが見え始めた時期、この怪人を根本から見直そうと原点回帰を試みたのが「秘密戦隊ゴレンジャー」の仮面怪人です 仮面ライダー以前の怪人のルーツを辿り、月光仮面や七色仮面といったレトロヒーローの敵、仮面をかぶって悪事を働く怪人物を思わせる古典的なスタイルの怪人を登場させます ゴレンジャー最初の怪人、黄金仮面はそのネーミング、その姿、共に往年の連続活劇ドラマに登場した怪人物を彷彿させるものでありました 丸い黄金でできたニヤリと笑った顔の仮面、全身を覆う黒いマント、大きな鎌を携えたそのいでたちは怪人の究極進化形態デスパーロボットを見たあとではなんとも時代に逆行した姿に見えましたが、それゆえに実に新鮮に見えたものでしたね ゴレンジャーの仮面怪人はその後も「三日月仮面」、「ヒスイ仮面」、「ドクロ仮面」、「毒ガス仮面」とレトロな怪人を登場させ続けます このように究極的な進化を遂げた後はルーツに原点回帰しようとする動きはロックミュージックにも同様にありますね アフリカ音楽、民俗音楽をロックにより再現しようという試み、80年代におけるアフリカバンバータ、エスニックあるいはワールドミュージックといわれた民俗音楽の要素の強い音楽などなど さて原点回帰した後の怪人でありますが、一旦時代に逆行した後はさらに時代を先に進むのはなかなか難しかったらしく、ゴレンジャーの仮面怪人は番組途中からコミカルなユーモア路線へと舵を向けます 野球のボールに目玉がくっついた野球仮面、テレビに目をつけたテレビ仮面、果ては蛇口仮面、機関車仮面とどうも真面目に考えたとは思えないギャグ怪人たち これはウルトラマンタロウの怪獣が新たな方向性を見つけあぐねた結果、ユーモア怪獣に至った経緯と似ていますね ただゴレンジャーは番組自体がコミカルな要素を許容しうるものであったせいかタロウ怪獣に感じた「怪獣を真面目に作ってないんじゃないか?」という不満はあまりありませんでしたね ゴレンジャー後期の面白おかしいユーモア怪人は自分も周りの怪獣怪人好きの子供たちも歓迎していたように思えます ただ、やはり「お笑い」に進むことは逆にその先の進路を見い出せない手詰まり感の表れでもあるようで、ウルトラ怪獣がタロウのユーモア怪獣以降の新たな方向性を見い出せずウルトラマンレオでは迷走を続けていたのと同様、ゴレンジャーの後番組「ジャッカー電撃隊」もやはりまた迷走します ジャッカー電撃隊の怪人はアイアンクロー率いる犯罪組織クライムに所属する機械的怪人で、ロボットなのかサイボーグなのか、はたまたそういう生物なのか詳しい設定を知らないのですが見たところどうもあまり新鮮味を感じられないものでした イナズマンFのデスパーロボットの劣化コピーとでもいいましょうか? デスパーロボットのようなスタイリッシュで「これぞメカ怪人の究極!」ともいうべき有無を言わせぬカッコ良さ は感じられません ただメカっぽいだけ、というかやはりどんな怪人を打ち出していくかというところで迷走していた感があります 番組自体も怪獣ブーム終焉を迎えた時期だったため、思うような人気を獲得できず番組途中でビッグワンというカリスマ感漂う新ヒーローが登場するものの人気は振るわず最終回を迎えるとともに、この戦隊シリーズ第2弾は続編を作られることなく終了します 自分も怪獣から関心が失われジャッカー電撃隊は早い段階から見るのを辞めていましたね そして怪獣氷河期が訪れるのですが、ちょっと仮面ライダーシリーズにおいての怪人の変遷にも書いておきましょうか? 仮面ライダー怪人は動植物、昆虫などの生き物をモチーフにした怪人という東映怪人の基本コンセプトから出発し番組後期に2種類の生き物を融合させるハイブリット怪人、ゲルショッカー怪人を発明 そして仮面ライダーV3においてはこのハイブリット路線のさらなる進化、機械と生物の融合したデストロン怪人を生み出すなど好調に怪人を作り続けていきました しかしV3は番組途中からこの機械+生物というナイスアイディアをなぜか放棄、原始時代の生き物をモチーフにしたキバ一族が登場しますが、これは実にマニアックなモチーフの選定であったせいかいまひとつ人気が得られませんでした 今見ると自分は結構このキバ一族怪人は好きなんですがね キバ一族の人気不振からかV3怪人は早々と路線変更して鳥やコウモリなどツバサを持つ生き物をモチーフにしたツバサ一族怪人を登場させますがこれは輪をかけて人気が出ず、またもや路線変更、ヨロイ一族怪人は基本的には甲羅などの鎧を思わせるものを身につけた生き物をモチーフにしますが、ネタが切れると特にヨロイが無くてもOKという感じでわりとアバウトになるのですが、それでよかったらしくガルマジロンや吸血カメレオン、そして幹部のヨロイ元帥が変身するザリガーナとなかなか面白い怪人が出てきます ライダーマンの登場もあって番組の人気も盛り返し、次回作「仮面ライダーX」へと続きます そしてXライダーの怪人、神話をモチーフにしたGOD怪人はまさしく怪人の傑作ともいえる素晴らしいものでしたね ギリシャ神話の神々をモチーフにするというアイディアの秀逸さもさることながら、きまった形の存在しない伝説上の存在を独自の解釈で怪人化したそのデザインの素晴らしさはまさしく神の如く神々しく思えました ネプチューン、パニック、メドゥーサ、マッハアキレス、ユリシーズ、プロメテウス・・・・ ギリシャ彫刻を思わせる見事なデザインと造形 神の名を名乗る怪人たちのなんと美しいことか! GOD怪人はまさしく怪人の頂点に君臨する傑作ではないかと思います さきほど怪人をロックミュージック、パンクロックとそれ以降の音楽に準えてみましたがGOD怪人においてはパンクロックというよりクラシック、あるいはオペラに例えるのが順当ですね そしてXライダーは番組後半、この神話怪人路線の究極ともいうべき巨大な大幹部キングダークが率いる歴史上の人物+生き物のハイブリッド、悪人怪人へと路線変更 これもアイディアの秀逸さで人気がありました 続いて仮面ライダーアマゾンでは、怪獣への対抗という形で現れた怪人にあえて「怪獣」の要素を持たせ、怪獣と怪人の中間的存在と言える獣人が登場します 怪人に怪獣の持つ重量感、スケール感を持たせた獣人は実にカッコよく、自分は大好きなのですが怪獣ブームに陰りが見え始めた時期だったためか仮面ライダーアマゾンは人気がやや振るわず、放送期間が1年というのが通例のライダーシリーズにおいて、若干早めに番組が打ち切られ新番組「仮面ライダーストロンガー」の放送となるのですが、ここにきてネタが切れたかのように見受けられます ストロンガーの怪人、ブラックサタンの奇ッ械人はショッカー怪人同様、動物昆虫などの生き物をモチーフにしていますがジャッカー電撃隊のクライム怪人同様、機械の要素を感じさせるものでしたが、やはり新鮮さが感じられませんでした 番組もいよいよ怪獣ブーム終焉の時期にあり、人気が低迷し苦戦していたようですが、しかし番組途中から現れた新幹部ジェネラル・シャドウの際立った個性によりドラマ自体は悪くなかったと思えます そして番組後半になって、ライダーシリーズもいよいよこれで終わりということが決定してしまったのか最後の底力としてスタッフの全精力を注ぎ込んだとおぼしき傑作エピソード「デルザー編」に突入 怪人を超えた怪人、怪人であるとともに幹部であるというデルザー怪人はカリスマ性を感じさせる素晴らしい者たちでした 中でも鋼鉄参謀は東映怪人の最高傑作の1つでもあるイナズマンFのウデスパーαを彷彿とさせる怪人の歴史に燦然と輝く極めつけのカッコよさでした 荒ワシ師団長、隊長ブランク、岩石男爵、マシーン大元帥などもよかったですね ライダーシリーズはその最初の終焉において見事に大花火をあげていったん幕を下ろしたのです 怪人の歴史においては語ることが多く、なかなか先に進めないのですが本題に戻ります ジャッカー電撃隊の終焉とともに怪人ブームも終わり、怪獣と同様、怪人も氷河時代を迎えます この時期に放送されていた東映特撮番組といえば「忍者キャプター」、「ザ・カゲスター」、「超人ビビューン」あたりですが、やはりブームの時のような人気は獲得できなかったようです 怪人においてもキャプターではスーツではなく役者がメイクしただけの悪の忍者、ビビューンは妖怪をモチーフにした怪人でしたが第1話に登場したバックベアード以外はあまり印象に残っていません カゲスターはちゃんと見ていなかったためどんな怪人が出ていたのかよく覚えていません 自分自身、怪獣怪人から興味を失ったせいもありこの時期の怪人はあまりよくわかりませんね しかしこの時期には今もなおカルトな人気を誇る「快傑ズバット」もありました ただズバットの敵は、怪人というより特殊能力を持つ人間でしたね その後、マーベルから権利を得て制作された日本版スパイダーマンが放送されたのですが自分がそのころ住んでいた地方ではズバット同様放送がなく見ていませんでした そのため日本版スパイダーマンについては語れないのですが、しかし怪人においてはかつての怪人ブームの復権を睨んだかのような意欲的なものが生み出されていたようでした スパイダーマンによって特撮ヒーロー、怪人の人気は持ち直したかのようで、東映はジャッカー電撃隊の惨敗によって中断していた戦隊ヒーローものに再び着手 「バトルフィーバーJ」が登場します そしてこれが大ヒットとなり東映特撮ヒーロー、怪人は見事に盛り返したのでした しかし・・・・・・・自分はそのころ中学に進学し 「もう僕は子供じゃないし怪獣や怪人なんて興味無いんだもんねー」 みたいな気持でいたのでした 大人ぶりたい年代の自分は「バトルフィーバーJ」が面白いと話題になっていることを風のうわさで知りながらあえて気にしないそぶりを装っていましたね しかし・・・・・・ やはり怪獣ファン、怪人好きの血は抗えません 「べ、別にあんたなんか興味無いんだからね!ただ・・・・ちょっとだけ見てやってもいいと思って・・・・」 「か、勘違いしないでよね!あんたなんか全然興味無いんだから!」 とツンデレ状態になった自分は「ちょっとだけ見てやろうかな」と虚勢を張りつつ「バトルフィーバーJ」を見たのです ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ うう・・・・完敗です 滅茶苦茶おもしれえ! 滅茶苦茶かっこええ! ツンデレがデレデレ状態になってしまいました バトルフィーバーJは戦隊というジャッカー電撃隊で終わってしまったはずのヒーローのスタイルを完全に復活させていました ゴレンジャーのスタイルをそのまま踏襲しただけのはずなのに「戦隊ヒーローってこんなにカッコいいものだったのか?」と認識を新たにさせられましたね どこかユーモアを感じさせると同時に洗練されていて大人っぽくも感じられるニュータイプのヒーローでした その後、今に至るまで戦隊シリーズは1度も途切れることもなく放送され続け国民的な人気を誇ることになることはみなさん御存知でしょう 今や戦隊ヒーローはウルトラマン、仮面ライダーに並ぶ日本を代表するヒーローです 自分は「バトルフィーバーJ」を見て、再び特撮ファン、怪人ファンへとフィードバックしてしまいました そして・・・・・ バトルフィーバーJの敵、エゴス怪人はゴレンジャーが怪人の原点に立ち返ろうとしたのと同じような怪人の新たな魅力、怪人の新たなスタイルを模索していた実験室であるかのように思えます 怪人の名前にはストレートに「OO怪人」と付きます このネーミング1つとっても原点回帰の意思が伺えますね そしてエゴス怪人は動物、昆虫といった生き物に留まらずありとあらゆる素材を怪人として構成していこうという実験精神がありました コウモリ怪人、バッファロー怪人はオーソドックスに生き物をモチーフにした怪人であるかのようなネーミングですが、その実、古代文明の遺跡から発掘された彫刻だとか仮面などをモチーフにした意欲的なデザイン 日本の遮光器土偶をそのまま怪人化したドグウ怪人などもいます この路線はのちに宇宙刑事シャイダーの不思議獣バリバリに継承されますね 忍者キャプターの忍者やズバットで試みられた役者の素顔をそのまま出した格闘技怪人、バラリンガなども怪人のバリエーションを広げようという試みの1つであるように思えます ちなみに格闘技怪人を演じるのは後にデンジマンでバンリキ魔王を演じる大前均さんです ネンリキ怪人、魔術怪人、など生き物モチーフではありますがその能力に焦点を当てて造形された怪人 シンゾウ怪人(心臓)、ヒダリテ怪人(ヒダリテ)などの体の部位をモチーフにするというバロム1のドルゲ魔人的コンセプトの怪人 ベンキョウ怪人(勉強)、ヘンショク怪人(偏食)などの人間の行為をモチーフにした怪人まで現れました とにかくなんでもかんでも怪人にしてやろう、どんなものでも怪人に成り得るんだというチャレンジ精神がエゴス怪人からは伺われ、怪人の新たな時代を作り出してやろうと意思が強く感じられましたね そんなエゴス怪人の高い意識はバトルフィーバーJに続く戦隊シリーズ「電子戦隊デンジマン」において見事に結実します デンジマンのベーダー怪物はまさにバトルフィーバーJでの実験、試行錯誤の結果到達した新たな怪人の時代を到来させました ベーダー怪物についてはこのブログでも何度か取り上げているので詳しくは語りませんが、天才怪人デザイナー野口竜の手によって生み出された革命的怪人であり、「エイリアン」のデザイナー、H・R・ギーガーから大きな影響を受けたおぞましくもアーティスティックなクリーチャーであります 左右非対称というこれまでありえなかった斬新なデザイン、80年代のドルゲ魔人ともいうべきトラウマ級のグロテスクさ、ゴレンジャーやバトルフィーバーJで試みられていた意表をついたモチーフの選び方などなど 評価するポイントが山のようにある素晴らしいもので、自分にとって非常な大きな存在となっています デンジマンが放送されたのはまさに1980年、80年代の到来と同時に怪人の新しい時代が訪れたのです 第1話に登場したムササビラーを見た時の衝撃は忘れられませんね これまで何度か書いてきましたがベーダー怪物の「内臓を思わせる」デザインという表現はまさにこのムササビラーを念頭に置いての発言でした 幾重ものヒダに覆われたかのように見えるその姿は学校の授業で習った生き物の「腸」を連想させました こんな異様な姿でありながら「ムササビ」の怪人だというのも面白い ムササビといったら仮面ライダーのムササビートルをまっさきに思い出しますがムササビラーはムササビートルとはまったく違っています 宇宙のムササビがこんな異様な姿をしているものなのかな?なんて想像が膨らんでしまいます グロテスクである様は子供にも容赦しないぞ、とでもいうべきスタッフの挑戦的な姿勢が伺え、それはまさにセックスピストルズ以来のパンクスピリッツ! 逆になにかすごいものを見せられたという気持ちになり興奮してしまいます 衝撃的な音楽が登場するたび言われる「第2のセックスピストルズ」というキャッチコピーをベーダー怪物にも捧げたくなります 過激に挑戦的で、そしてユニーク、さらにイマジネイティブなベーダー怪物は閉塞状態にあった怪人氷河期をブチ破り、通常の美的概念に対するファックユーの雄たけびと共に怪人新時代をスタートさせたのです 怪獣がウルトラマン80において、王道回帰することで新たなスタイルを獲得したのに対し、怪人はまったく逆にありえないほどの変化球を豪速球で投げ込んで立ちはだかる壁をぶち破ってきました 実に痛快で爽快ですね 怪獣と怪人から興味を失った自分も、再びハートに火が付き、一度死んだかに見えた怪獣怪人ファンとしての心が完全蘇生したのです 今回、ブログを長く休んでいたせいか反動で長い記事になってしまいましたが最後まで読んでくださった方、ありがとうございます 次回の記事はまた先になるかもしれませんが、どうぞ気長にお待ちくださいませ これからも怪獣ブログをどうぞよろしくお願いいたします! #
by pulog1
| 2009-04-15 01:01
![]() みなさん、コメントになかなか返信出来ず申し訳ありません もうしばらくお待ちください・・・ さて、前回のブラックエンドの記事で書いたとおり「ウルトラマンレオ」の最終回によりウルトラシリーズは幕を下ろします と同時に長らく続いた怪獣ブームも終わりました 仮面ライダーシリーズもやはり「仮面ライダーストロンガー」最終回で、シリーズを一旦終了 子供たちの興味は怪獣、怪人から巨大アニメロボットに移り、怪獣ブームと入れ替わるようにロボットブーム、アニメブームが到来します 自分はロボットブームは怪獣ブームを引き継いだもの、あるいは新しい形の怪獣ブームだと思っています 巨大アニメロボットの敵ロボット、「ヤラレメカ」と呼ばれるものは怪獣のニューモードであると思っていましたね ですからアニメロボットに夢中になっている時期も自分は「怪獣ファン」のままでいるような気持でした しかし、アニメロボットブームもまた怪獣ブーム同様徐々に勢いをなくしていきます 特撮、アニメロボット両方が不振に陥ったこの時期、70年代の終わりぐらいは「怪獣氷河期」とでも形容される時代でした 自分は小学生の高学年ぐらいだったと思うのですが、なんというか熱くなれるものがなかなか見つからない退屈さを感じていたのを覚えています かつて夢中になった怪獣、ロボットのようなものがなにかないだろうか?と考えてみるものの自分が何に夢中になれるのかよくわからない もしかしたらまた面白い怪獣やロボットの番組をやっているかもしれない、と思ってテレビをつけてみるものの、当時わずかに放送されていた特撮番組は自分を夢中にはさせてくれませんでした 東映は「忍者キャプター」、「ザ・カゲスター」を放送していましたが自分はあまり面白いとは思えませんでしたね(忍者キャプターの主題歌は滅茶苦茶カッコよくて好きなのですが) 「プロレスの星・アステカイザー」はロボットアニメの原作で子供たちのカリスマになった永井豪の弟子である石川賢が原作で非常にカッコよく自分は超合金のオモチャを持っていましたが、それはデザインが好きだっただけで番組自体はあまり面白くありませんでした 久しぶりに登場した巨大ヒーロー「メガロマン」を自分は非常に楽しみにしていたのですがワクワクしながら見てみた第1話はやはり面白くなくガッカリしてしまいました それでも自分は心のどこかで怪獣を求めていたと思います しかし、そんな自分のわずかな怪獣愛も円谷プロの「恐竜戦隊コセイドン」を見た時に粉微塵にされてしまいました 「コセイドン」を見た時のシラケきった気持ちは今でも忘れませんね 「怪獣番組ってこんなつまらないものだったのか・・・・」とガックリ肩を落としてしまったほどでした 今から思うと自分は子供から少し大人になりはじめた時期で、子供向け番組に夢中になれなかったのは仕方がないことだったのでしょう 「コセイドン」が本当につまらない番組だったのかどうか、もう内容なんてすっかり忘れてしまったので今となってはわかりません もしもっと子供だったらそれなりに楽しめたものだったのかもしれません ただ、コセイドンは円谷プロがウルトラシリーズ終了後に始めた「恐竜シリーズ」の最終作で、「ボーンフリー」、「アイゼンボーグ」に続く3作目となるのですが、「怪獣」ではなく、「恐竜」の番組であるというのが、自分のわずかに残った怪獣愛からすると許せないものがありましたね ウルトラシリーズ通して常に新しい怪獣を模索し続けていた円谷プロがもはや怪獣を追求することを放棄してしまったように見えてしまったのです 怪獣好きは大抵の場合、恐竜も好きなものです ですから恐竜が出てくる番組もやはり好きになってもいいように思えるのですが、しかし自分にはなんというか新しい怪獣を生み出すこと、考え出すことを放棄した、あきらめた、なんだか投げやりな姿勢に見えてしまいました 料理するのではなく、素材をそのまま食卓に並べて「食え」とでも言われているような気分とでもいいましょうか? 恐竜という怪獣の原型をなんの捻りも加えずそのままで提出することは、言ってみれば教科書をまる写しして提出したレポートのようなものです そんなところが自分の円谷の「恐竜シリーズ」に対する不満の原因になるのですが、しかしよく考えると第1次怪獣ブーム期に放送していた「怪獣王子」もやはり怪獣ではなく恐竜が登場する番組であったにも拘らず好きだったんですよね またハリーハウゼンのストップモーションアニメによる海外恐竜映画、「恐竜グワンジ」、「恐竜100万年」なんかは今でも大好きです なぜ円谷の恐竜シリーズだけがそんなに許せなかったんだろう? もっとも円谷恐竜シリーズの恐竜の着ぐるみは「怪獣王子」などと比べても非常にみすぼらしい印象がありましたが・・・・・ 補足すると自分の住んでいた地方、青森では恐竜シリーズは「ボーンフリー」、「アイゼンボーグ」は放送されていなかった(と思いますが、自分が知らなかっただけで放送されていたのかな?) なので「ボーンフリー」、「アイゼンボーグ」については「全怪獣怪人大百科」で登場する恐竜の写真を見ただけで、番組自体がつまらないものだったのかどうかはわかりません アイゼンボーグに出てきた巨大ヒーロー、アイゼンボーはなかなかカッコいいとは思いましたが・・・・・ しかしコセイドンに登場したヒーロー、コセイダーはヒドいと思いましたね 人間を大砲に入れて打ち出すとコセイダーというヒーローに変身するというまじめに考えたとは思えないアイディアもさることながらコセイダーのルックスが非常にマズかったです なんていうのか・・・・・ただの潜水服かなんかを着てる人にしか見えませんでしたね コセイドンにわずかな希望を見い出そうと思って番組を見てみたものの無残に打ち砕かれた自分は 夕陽に向かって「絶望した!特撮番組に絶望した!」と叫んで、もう2度と怪獣番組なんか見ないと決心しました しかし、それからわずかに後になって、子供たちの間で再び怪獣ブームが到来するのでした きっかけは「コロコロコミック」に内山まもるのウルトラマン漫画が掲載されたことです 自分はドラえもん目当てで読んでいたコロコロコミックに「次回のコロコロではウルトラマンの漫画がたっぷり読めます」という告知を見た時は目を疑いましたね ウルトラなんてもうテレビの放送もやってないし、もう終わったものだと思ったのになんで今頃コロコロでウルトラ漫画が始まるんだ? 信じられない気持でいたのですが、しかしその告知を見たときずっと忘れていた怪獣に夢中になっていたあの気持ちがブワっと蘇ってくるのを感じました そしてコロコロの新しい号が発売されるのをワクワクしながら待ち、発売日になって親に買ってもらったコロコロ・ウルトラマン特集号を食い入るように読んだのです 内山まもるのウルトラマン漫画は実は新作ではなく、ウルトラマンレオ放送終了直後に小学館の学年誌に、(確か「小学三年生」だったと思うのですが・・・)連載していたオリジナル・ウルトラマン漫画の再録で学年誌に連載されていたときは「ウルトラ兄弟物語」だったかなんだかいうタイトルだったのですがコロコロ再録時には「ザ・ウルトラマン」とタイトルを変更して掲載されていました 舞台はM78星雲のウルトラの星、かつてのウルトラ兄弟が戦った最も苦戦させられた怪獣たちが姿を現し、次々とウルトラ兄弟を襲い、葬っていきます それは宇宙の魔王ジャッカルが変身した姿でジャッカルはウルトラ兄弟をゾフィー1人を残して全滅させウルトラの星を滅亡させた後、続いて地球に魔の手を伸ばすのでした テレビでは見られないウルトラの星を舞台にした壮大なストーリーにゾクゾクし、自分はあっという間に元のウルトラファン、怪獣ファンに戻ってしまいましたね 自分だけでなく小学校の同じクラスの男子も大勢ウルトラファンになりました テレビでは過去のウルトラシリーズの再放送が始まり、みんな夢中になって見ていました 自分は以前見ていたはずのウルトラシリーズの再放送をまったく新鮮な気持ちで見ていましたね 小さかった頃は難しいストーリーは理解出来ず、ただ怪獣とウルトラマンの姿しか見えていなかったのが小学校高学年になって理解力が高まり、そのストーリーの面白さに気付かされるのでした ウルトラマンってこんなに面白いストーリーだったのか! 自分が本当の意味でウルトラシリーズの番組としての魅力に気づいたのはこの時期においてでした 世間は再びウルトラマン熱を帯びていきます 子供たちはガチャガチャでウルトラ怪獣消しゴムを買い集め、学校に持っていき友達とトントン相撲で戦い合わせます クラスの誰かが学校に持ってきたケイブンシャの「ウルトラマン大百科」は子供たちの間で奪い合いになりボロボロにされてしまいます 男の子たちの休み時間や下校時間は、ウルトラマンや怪獣についての話題で持ちきりになります どの怪獣が1番強いのか?どのウルトラマンが1番強いのか?熱い議論が繰り返されます そして女子にはバカにされます 第3次ウルトラブームの始まりでした テレビで新作のウルトラマンが放送されていないにも関わらず、熱いウルトラブームが始まったのです そしてそんなブームの中、誰もが思ったのは 「新しいウルトラマンをテレビで見たい!」ということでしたね 世間ではアニメブームもまた再燃していました ロボットアニメの人気がひと段落した後に、「宇宙戦艦ヤマト」、「ルパン3世」、などのちょっと大人っぽいアニメが人気となり現在まで続くアニメ人気の基礎を作りはじめていました このアニメブームを受け、ウルトラマンはアニメとしてついに復活します タイトルは第3次ウルトラブームの火付け役となった内山まもるの漫画「ザ・ウルトラマン」をそのまま借り受けます 子供たちは「あの名作ウルトラ漫画がアニメになるのか?」とワクワクしたのですが、実際に放送されたのは内山まもるの漫画とは全く別で、しかもなんだかあんまり面白くない・・・・・ ウルトラマンはあんまりカッコよくないし、登場する怪獣もまったく魅力がない こんなんじゃないんだ!僕たちの見たいウルトラマンは違うんだ! アニメの「ザ・ウルトラマン」は子供たちの間では不評でしたね 「やっぱりウルトラマンは実写じゃなくちゃダメだ!」 誰もがそう思いました 「ザ・ウルトラマン」が惨敗した円谷プロは、子供たちの要望を受け、また当時大人気の学園ドラマ「金八先生」のヒットを受け、「中学校の先生がウルトラマンに変身する」という新たな実写ウルトラマンを企画します 時は西暦1980年 80年代という新たな時代の始まりと共に「ウルトラマン80」は放送されました ついに実写であのウルトラマンが復活! 「ウルトラマン80」は怪獣ファンの子供たちにとってまさに待望の番組でした が・・・・・・・ あれほど待ち望まれた「ウルトラマン80」は思ったような人気は得られなかったのです その理由は「ウルトラマンと学園物の融合に無理があった」、「ストーリーに魅力がなく面白くなかった」、「タイミング悪く80の放送と同時にウルトラブームが終わってしまった」といろいろ考えられますが、実際のところなぜなのかよくわかりません しかし番組の不振とは別にウルトラマン80は素晴らしい番組でもありました それは80に登場する怪獣が、まさに第2次ウルトラシリーズ終焉期に越えられなかった「新しい怪獣」の創生に成功していたことです 第2次怪獣ブームはとにかく数多くの怪獣番組が乱立、週に1体のペースで新しい怪獣を量産していました そのため思いついたアイディアはその場ですぐ採用するようなスピード生産が要求されていたのですが、ネタが尽きると同時に行き詰まってしまいます ウルトラシリーズにおいても番組が終了した年にはまた新しい番組が始まり休む間もなく怪獣が作られ続けていました じっくりと新しい怪獣を考える時間が与えられていませんでした そして全てのネタが尽きると同時に終わってしまったかのように見えた怪獣ですが、ウルトラマン80は新しい怪獣をじっくり考える時間が与えられたのです それは「怪獣氷河期」の時代、テレビからウルトラマンの放送が消え、恐竜シリーズでお茶を濁していた時間 あの時、実は「怪獣とは何か?」、「怪獣の美しさとは何か?」ということをスタッフは長い時間をかけて考えていたのではないかと思うのです そして考え抜いた揚句「まったく斬新な怪獣を作るのではなく、オーソドックスな怪獣らしい怪獣を作ること」、「これまで築いてきた怪獣の土台を見つめ直す」、「オーソドックスだが、さらに洗練し磨きをかけていく」という結論に至ったのではないでしょうか? 80の第1話に登場した怪獣クレッセントはまさにあきれるぐらいにオーソドックスないかにも怪獣らしいストロングスタイルの怪獣です 80怪獣の今後の方向性を示す見るからに「怪獣の王道」と言うべきものでした 「王道」というまっすぐな道を80怪獣は1歩1歩じっくりと着実に進んでいきます ラドンタイプの鳥モチーフ怪獣ギゴギラー、少しばかり冒険してみたホー、しかしまた鳥モチーフに戻ってザンドリアスと、探るように着実なジャブを繰り出していきます 基本に忠実、しかし1発1発が高い技術力を感じさせるボクサーのパンチ そんな印象のある怪獣が続いたあと、メカギラスというテクニカルなフック、さらにどこから飛んでくるのかわからないという感じの強烈な変則的パンチ、アブドラールスが打ち込まれます! 続いてスピードのあるストレート、ノイズラー、ずっしりと重いパンチ、タブラ、腕を伸ばしきった美しく決まるパンチ、ガビシェールと3連続でストレートを繰り出し、変則的フックながら重いズルズラーと多彩に攻め、しかしリズムが単調な印象があったところで(怪獣の体色が淡色で)明らかに色の違う(全身が真っ赤な)ゴラという迫力満点のメガトンパンチが叩きこまれます! ここで相手がフラついたところで渾身のパンチ! これはストレートではありますが最高レベルのテクニックに裏付けられたもの、言うなればコークスクリューパンチとでもいうべき神業パンチ怪獣、サラマンドラが決まり相手はノックダウン! 怪獣ファンはKOされてしまうのです! 伝説の炎の竜の名前をそのまま冠するこの怪獣はまさに80怪獣の到達点と言えるカッコよく、美しい怪獣です オーソドックスな恐竜タイプです しかし頭部のまるでレゲエのドレッドヘアーを思わせる幾本もの角の束はこれまでの怪獣には見られなかった斬新な印象を与えます 古くて新しい怪獣、サラマンドラはそんな怪獣ではないでしょうか? また着ぐるみの造形技術も第2次ウルトラブームから格段に進化し、素晴らしい出来です どこかマンガチックな方向へ走ったタロウ以降の怪獣とは対照的にリアリティが感じられます なによりサラマンドラは美しいんですよね 自分はサラマンドラを見ているとなんというか美しいギリシャ彫刻を見ているような気持ちになってしまいますね キングギドラ、レッドキング、ゴモラ、ブラックキング、バキシム・・・・ これまでいくつもの名怪獣から感じられた美しさ、「怪獣美」をサラマンドラは備えています サラマンドラの登場したエピソード「必殺!フォーメーションヤマト」を自分は見ていないのですがネットで調べてみると際立って特別なエピソードというわけでもなく、サラマンドラも特に強い怪獣でもなくごく普通の怪獣として位置づけられているようです ゴルゴン星人という宇宙人に操られている怪獣であるようです なんというかこれほど美しくカッコいい怪獣であるのに、普通の扱いであるというのが意外です しかし、やはりこれだけの怪獣でありますから80怪獣では人気が高くサラマンドラは「ウルトラマンメビウス」や「ウルトラギャラクシー」に再登場しているようですね 80本編でもサラマンドラが最強怪獣であったらよかったのですが・・・・ 80の最強怪獣はギマイラであると思うのですが、ギマイラは確かになかなかカッコいいのですが体に対してちょっと手が小さ過ぎバランスが悪いような印象があります カッコよさでは断然サラマンドラが上ですね 80怪獣のコンセプトであるオーソドックスな怪獣を念頭に出来る限り精度を上げていく、という方針を象徴する怪獣であり、その最高の成果であるサラマンドラ このような怪獣はスピード生産、大量生産を要求されてきた第2次怪獣ブームでは生まれえなかった怪獣であったのかもしれません ブームという荒波が収まったからこそ姿を現すことができた怪獣 そう考えると怪獣ブームというのは必ずしも良いことばかりではなく、また怪獣氷河期も悪いことばかりではなかったのではないかと思いますね ブーム如何に関わらず怪獣はいつの時代でも生まれ得、またその時代でしか生まれ得ない怪獣がいるのだと思います 怪獣ブームが終わると同時にすべての怪獣はおしまいなのだと思っていた自分でしたが、まったくそんなことはなかったです やっぱり怪獣は永遠なんですね! 今回80怪獣を説明するのにボクシングを例えに使いましたが、自分はあんまりボクシングに詳しくないのでもしおかしなことを書いていたらごめんなさい(><) また、サラマンドラ以降の怪獣については触れませんでしたが、他にも素晴らしい怪獣がたくさんいますのでまた次の機会に取り上げたいと思います 追記:記事中サラマンドラの登場エピソード「フォーメーションヤマト」を、自分はちゃんと見ていなかったにもかかわらず「特に際立ったものではない」と書いてしまいましたがコメント欄で「このエピソードは80のターニングポイントとなった重要なもの」とご指摘を頂きました ちゃんと作品を見ていないのにネットで調べた印象だけで記事を書いてしまい申し訳ありません やはりサラマンドラは重要エピソードに登場した重要怪獣だったのですねー #
by pulog1
| 2009-03-04 04:10
![]() 先週はコメントへのレスを休んでしまいまして申し訳ありません 毎週仕事が休みの日にレスをするようにしていたのですが先週は時間が取れずレスを休んでしまいました 今週たまった分のレスをしようと思ったのですが、思いの外たくさんのコメントを頂き、1度でレスを返すことが出来そうにありません 怪獣ブログは読者の方からのコメントが記事本文以上に重要な怪獣に関する情報となっておりまして、まさに読者様あっての怪獣ブログで御座います ですからコメントにはマメにレスすることを心がけていたのですが、自分がうまく時間をやりくり出来ないせいでコメントを頂いてから次の週でレスするということがちょっと難しくなってしまいました ですがレスが遅れても少しづつ返信していこうと思いますのでコメントを書いてくださった皆様、すぐに返信は出来ないのですがレスはいたしますので少々お待ちくださいませ そしていつもたくさんのコメントを寄せていただきまして本当にありがとうございます! さて、前回のライブキングの記事ではウルトラマンタロウの怪獣はウルトラマンAの超獣を超えることができず、新機軸としてお笑い路線の怪獣という方向へ向かったものの怪獣ファンからはあまり評価されなかったという話をしましたが、タロウ放送時期はまさに第2次怪獣ブーム真っただ中、怪獣激戦区ともいうべき状態でありました 円谷プロはウルトラマンタロウだけではなく同時期に「ジャンボーグA」、「ファイヤーマン」とタロウを含めると3本もの怪獣番組、巨大ヒーロー特撮番組を放送していました 円谷プロ以外にも東宝は「流星人間ゾーン」、ひろみプロは「サンダーマスク」といった巨大ヒーロー特撮を、また東映は仮面ライダーのヒットを受け等身大ヒーロー特撮を量産、仮面ライダーに続く仮面ライダーV3、キカイダー、イナズマンを同時に進めていました ピープロは仮面ライダー放送時期に自社でも等身大ヒーロー特撮として快傑ライオン丸を放送開始、これまたヒットし翌年には続編の「風雲ライオン丸」を放送します また宣弘社オリジナル巨大ヒーロー特撮として「レッドバロン」、その後番組「マッハバロン」(製作は日本現代企画)という特撮ロボット番組を成功させています 1週間のうちに何本もの怪獣が登場するテレビ番組が乱立、そのほとんどすべてが1週間ごとに新しい怪獣、怪人を登場させていました このように1度に大量の怪獣が登場していたのでは当然の如く、たちまちネタ切れになってしまうことは想像に難くありません 「新しい怪獣」は円谷プロのみならず他の多くの特撮番組プロダクションが我先にと飛びつき瞬く間に消費し尽くしていった時代でした この時期の怪獣はまさに玉石混合といった感じでしたね 魅力的な怪獣も多く存在する一方、粗製乱造の末に生み出されたというしかないものも確かにありました いかに怪獣ファンであるといえど、あまりにも大量の怪獣が出てきたためにそのすべてをフォローすることは叶わず、そのほとんどは埋もれてしまい現在に至るもフォローは行き届いていない、といった感じです (そんな中、この大量の怪獣全てをフォローしようとしたケイブンシャの「全怪獣怪人大百科」の功績は大いに讃えられるべきであると思います) ウルトラマンタロウが怪獣の新しい方向性を見い出せなくなってしまっていたとしてもそれは仕方のないことだったのかもしれません およそ人間の思いつく限りの怪獣はほとんど出尽くしてしまった 地球の歴史において恐竜が繁栄した時代、生命のビッグバンと呼ばれる時代と、この時期の特撮怪獣はみゅに重なるように見えます そして繁栄の後に来るものは衰退 栄華を誇った特撮怪獣に滅びの影が忍び寄るのです 「ウルトラマンタロウ」の放送半ばあたりを絶頂期として第2次怪獣ブームは徐々に沈静化していきます しかし円谷プロはタロウ終了後、空手ブームを取り入れた新機軸のウルトラマンとしてウルトラマンレオを放送 歴代ウルトラマンの中でもタロウと並んで人気の高いウルトラセブンをレギュラーに加え、衰え始めたウルトラシリーズの人気を巻き返しにかかります レオ第1話ではセブンはマグマ星人と双子怪獣レッドギラス、ブラックギラスとの3対1のハンディキャップマッチに敗れ負傷、変身不可能となってしまいます セブンは人間体であるモロボシダンとしてのみの活動しか許されず、ダンは地球防衛チーム、MACの隊長として、また唯一ウルトラマンレオの人間体であるおおとりゲンの正体を知る者としてゲンをフォローしつつ地球を襲う怪獣、宇宙人との対決を決意します ウルトラマンレオは故郷の星L77星を侵略者に滅ぼされてしまった悲劇を背負ったヒーロー、(L77星を滅ぼしたのはマグマ星人だったっけ?)爽やかで明るいタロウとは一転して重く暗い影を背負ったヒーローでした ウルトラマンレオはその第1話から、悲壮さや重さ、暗さを漂わせておりこれまでのウルトラシリーズの中でも一際シリアスな印象があります そんなレオのどこか影を感じさせる雰囲気は「怪獣ブーム」という華やかな時代が終わりつつあるという寂しさとどこか呼応していたかのように今になって思えます 事実レオの人気は振るいませんでした ウルトラシリーズの後に出てきた東映の等身大特撮ヒーローや、さらにこの時期爆発的に人気が出てきた巨大ロボットアニメに子供たちの人気を奪われ苦戦していたように思います 自分自身、ウルトラマンレオにはあまり興味をひかれず、マジンガーZ,グレートマジンガー、ゲッターロボ、ライディーンといった目新しいアニメロボットに興味が移っていました ですから自分はレオの放送をあまりリアルタイムで見ていなかったため、レオという番組についてちゃんと語ることが出来ません ただ、レオに登場してきた怪獣については怪獣図鑑などでチェックを入れていました そしてレオ怪獣は、ブームが過ぎ去ったあとのなにか息切れを感じさせる、見ていて少々辛くなるような怪獣が多いことに、自分はどこかしら寂しい思いを感じていたのでした 第1話に登場したマグマ星人はこれまでの怪獣、宇宙人になかったスタイリッシュさを感じさせる傑作だと思います エースキラーの路線を発展させたダークヒーロー的なカッコよさを感じました(しかしマグマ星人はウルトラ怪獣の中でも突出して卑怯卑劣な宇宙人として有名ですが) そしてマグマ星人が引き連れてきた双子怪獣、レッドギラス、ブラックギラスもなかなかのカッコよさ! パッと見はアーストロンを彷彿させるオーソドックスな恐竜タイプの怪獣に見えますが、その顔は恐竜というよりはワニを思わせるもので、見慣れているように見えて今まで見たことのないタイプの怪獣であります レオ怪獣は第1話に関しては大合格と言えるでしょう しかし、そこまででした 続く第2話に登場するツルク星人は人間サイズの状態と巨大化した状態で形態が異なる宇宙人 人間サイズのときはちょっとエースキラーっぽくて悪くありません しかし巨大化したときの姿は、なんというか普通にトカゲの顔をした、どうにも面白みのない怪獣タイプです こりゃ人間サイズの姿のまま巨大化したほうが良かったんじゃないか? レオにはその後もバイブ星人、フリップ星人と人間サイズと巨大化したときに姿の異なる宇宙人が登場するのですが、このバイブ星人が正直な気持ち「ヒドイな・・・」と思ってしまうほどかっこ悪かったです 人間サイズの時もあまり面白くないデザインなのですが巨大化したその姿はタロウのお笑い怪獣をさらに下回るグダグダ感が漂う、なんというか赤塚不二夫が手を抜いて書いたかのような宇宙人でした このバイブ星人を見て自分は「ウルトラ怪獣はもうダメだ」と嘆いてしまいましたね ちなみにフリップ星人はそんなに悪くないと思いましたね ただフリップ星人は人間サイズと巨大化した姿があんまり変わりがなく、これもやっぱり人間サイズと巨大化のデザインを2種類用意することもなかったんじゃないかと思いましたが・・・ レオの初期の「人間サイズと巨大化の時の姿が異なる」というコンセプトは、今思うとウルトラシリーズの人気を追い抜くばかりに勢いのあった仮面ライダーの怪人を意識してのものだったのかもしれません 巨大な怪獣より人間と同じ大きさの怪人のほうが人気があるのではないか? とはいえ巨大ヒーローであるウルトラマンと戦う敵はやはり巨大でないといけないし・・・・ そんな葛藤が「巨大な奴と人間とおなじ大きさの2種類の怪獣を出してみる」という発想につながったんじゃないかなあ?と勘ぐってしまうのですがいずれにせよこのコンセプトは不発に終わりました その後のレオには従来のウルトラ怪獣同様、巨大怪獣が登場するのですが・・・・・どうも、やや魅力に乏しいというのが正直な感想でしたね タロウのお笑い路線をそのまま踏襲した感のあるバンゴ 帰ってきたウルトラマンの人気怪獣タッコングの路線にある球形の体に腹に顔が付いているケンドロスは悪くはないのですが、やはりあのタッコングと比較すると見劣りしてしまいます ちょっとショッカー怪人を思わせるカーリー星人は個人的にウルトラ怪獣らしくないように思えました 刀のような長い角をもったカネドラスはレオ怪獣には珍しくカッコ良くて好きでしたね カネドラスはなんというか「剣術使いの怪獣」といった感じでなかなかです しかしやはり全般的にレオ怪獣には「ネタ切れ」という感覚が付きまといました レオ中期、後半の怪獣も「苦戦」という言い方が似合う感じです 「宇宙一美しい怪獣」などという呼び名がついたローランは、どんな美しい怪獣が登場するのかと期待して見てみたら、なんかただ恐竜型のありふれた怪獣に白い鳥の羽をくっつけただけの工夫のない姿 レオが子供時代にペットとして飼っていた怪獣が不良化したというロンも、どこかで見たようなありふれた姿の怪獣で面白くありません オオカミの宇宙人ウルフ星人、コウモリの怪獣バットンなどはまさにそのまんまの姿でしかなく考えた跡が見られません しかしなかにはアクマニア星人、プレッシャー星人、アトラー星人というかなり思い切ったホラー路線の怪獣が出てきてこれは「おお!」と興味をひかれました ババルウ星人はマグマ星人路線のスタイリッシュパンクなデザインでこれも好きですね でもババルウはマグマ星人同様卑怯極まりない根性の腐った宇宙人です スタイリッシュでパンクな宇宙人ってなんで卑怯な奴が多いのかな? パンクといえばツンツンヘアーでグラサンかけたパンクスそっくりなロボット怪獣ウリンガもなかなかカッコいい! やっぱりツンツンヘアーな怪獣スペクターもお気に入りです 書きながら思ったんですがレオ怪獣ってパンクっぽい怪獣にいいものが多いですね とはいえキングパラダイあたりになるともはやグダグダ感も極まった感があり、自分はレオ怪獣への興味を完全に失ってしまいました ときどきは見ていたレオの放送をまったく見なくなった後に、レオ怪獣はある意味「究極の怪獣」を生み出していました 「常識に捉われていては駄目だ!」、「今まで1度も出てこなかったような怪獣の常識を超えた怪獣を登場させよう!」 円谷プロの企画会議でそのような議論があったのかどうかはわかりませんが、レオの終盤期に登場した円盤生物は、まさに「怪獣だといわれなければ怪獣とは思えない」ような、これまで無かったタイプの怪獣たちでありました 円盤生物は宇宙人ブラック指令が操る生物兵器とも呼べる怪獣たちの総称であり、その名の通り当時流行していたUFO、空飛ぶ円盤をモチーフにしています その姿はまさしく謎の物体! ![]() 円盤生物第1号のシルバーブルーメはまるで「未知との遭遇」に登場するマザーシップのような豪華なシャンデリアのような姿をしていました その後、成長し形態を変化させたシルバーブルーメは、なんというか空飛ぶオブジェ、変わった形の電球の姿であります 怪獣という以前に生き物であるのかどうかも怪しい・・・・・・ これは以前プリズ魔について語った時に用いた表現ですが、円盤生物はプリズ魔という怪獣としては飛び道具に当たる強烈な変化球を確信犯的に投げてきた意思が感じられます さらにシルバーブルーメはレギュラーである地球防衛チームMACを主人公のおおとりゲンを除き全滅させてしまうのでした かつてウルトラシリーズにおいてレギュラーである地球防衛チームが番組途中で全滅してしまうなどという展開はありませんでした リアルタイムで見ていた視聴者には強烈に衝撃的な展開であったと聞きますが残念ながら自分はこの時期のレオを見ておらず、後になってそんなとんでもない展開になっていたのかと驚きました そしてMACを隊長であるモロボシダンを含めて全滅させてしまうというとんでもない怪獣、シルバーブルーメの存在に驚愕するのです プリズ魔、ブルトンというシュール系、プログレ怪獣の系譜にあるシルバーブルーメをはじめとする一連の円盤生物は、その後もユニークな怪獣を登場させていきました 平べったいタコのようなアブソーバ、饅頭に触手が生えているようなデモス、昆虫のような海の生き物のような貝のようなブラックテリナ、鳥のように見えて鳥になりきれていないように見えるサタンモア、果ては真っ赤なてるてる坊主の怪獣ノーバなど シルバーブルーメのように露骨に「空飛ぶ円盤」をモチーフにしたものはありませんでしたが、どれも「どこか円盤っぽい」というラインを踏襲していました このあたりのユニークで前衛的な怪獣は評価が分かれるところだったのか、それともモチーフを円盤縛りにするのは苦しくなったのか、ブラックガロンなど円盤よりぐっと従来の怪獣に近いタイプも出てきましたが、どこか亀のように見えるブラックガロンはギリギリ円盤の怪獣でOKかもしれません そしていまだに伝説として語り継がれる蟹江敬三の怪演で有名なブニョは円盤生物随一のユニークな怪獣ではないかと思います 2本足で直立した姿はブラックガロン同様従来の怪獣に近いかもしれませんが、大きな帽子を頭にかぶったタコとでもいうべきその顔はカッコいいとかカッコ悪いといった価値判断を超越した強烈な存在感を見る者に与えます 怪獣と物体、生物と非生命体の間を揺れ動いて、実態が不鮮明な極めて抽象化された存在である円盤生物という怪獣は、長い怪獣の歴史の終着点であるかのように思われます 試行錯誤の果てにたどりついた悟りの地点とでもいいましょうか? 絵画のあらゆる可能性を模索したピカソが最後の結論としてたどり着いたのが幾何学的なキュビズムであったというのと、円盤生物のポジションは非常によく似ていると自分は思います 進化の果てにたどりついた怪獣の最終地点、そこはすでに「怪獣の常識」を超えた涅槃の世界であったのです 円盤生物が「ある意味究極の怪獣」であると言ったのは、つまりそういう意味でなのです しかし進化の最終地点にあるものはやはり「滅亡」であります 究極の進化を遂げた怪獣は、そのさらに先に進むことは敵いませんでした 長く続いた怪獣ブームは終わります ウルトラシリーズはウルトラマンレオの最終回によってひとまず幕を閉じることになりました レオの最終回、自分はずっと見ていなかったウルトラマンレオを見ようと思いました そこにはなにか子供ながらに「何かが終わった」ことを感じさせる切なさが伴いました 自分は今日、テレビに出てくるレオの最終回の相手となる怪獣を「最後の怪獣」なんだという気持ちで受け止めていました 自分がこれまでなによりも大切に思い、我を忘れて夢中になっていた「怪獣」が今終わるのだ 自分はもう怪獣をそれほど好きではないかもしれない しかし、それでも自分は、今の自分というものをつくってきたに違いない「怪獣」の最後の姿を目に焼き付けておくべきだ それがかつて怪獣の大ファンだった自分の勤めなのだと・・・・・ レオの最終回を見るときの自分の気持ちは、どこか親しい友人のお通夜に参列するときの気持ちに似ていたかもしれません そして始まるウルトラマンレオの最終回、ストーリーについてはよく覚えていません ただ最後の怪獣ブラックエンドの姿は忘れないよう心に刻みつけておこうと、食い入るように見ていました ブラックエンドは悪くない怪獣であるとは思いましたが「最後のウルトラ怪獣」としてふさわしいのかどうかは判断出来ませんでした しかし、こいつが「最後の怪獣」なんだ 番組が終わりウルトラシリーズはその長い歴史に終止符を打ちました それと同時に自分は自分の夢のような子供時代が終わったのだと思いました ブラックエンドはその名の通り、怪獣の、そして自分の少年時代の終わりを象徴する怪獣です そして自分は子供から大人へと成長する階段の最初の一段を登りはじめたのです 後ろは振り向かない・・・・・ ただ、すべての怪獣たちに「ありがとう」 THE・END ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ なんてカッコよく決めたつもりだったのに、ほんの数年後、自分は再び怪獣ファンに戻ります レオの最終回から3年かそこらで、子供たちの間で再びウルトラブームが到来するのです いやいや、怪獣はまだまだ終わらんよ! #
by pulog1
| 2009-02-18 23:12
![]() 前回、ウルトラ怪獣はウルトラマンAの超獣が究極の進化を遂げた後、進化の袋小路にハマりこんでしまいその後、急速に衰退してしまった、ということを書きました 今回はそんな怪獣進化の袋小路にいたと思われるウルトラマンタロウの「お笑い路線怪獣」について書こうと思います ウルトラ怪獣は第1次ウルトラシリーズにおいては順調な進化と言うものを見せていました ウルトラQでは実在生物巨大化という怪獣としては最もオーソドックスなスタイルの怪獣を中心に打ち出していました 巨大な鳥のリトラやラルゲユウス、巨大な花ジュラン、巨大な蜘蛛タランチュラ、巨大なもぐらモングラー、などなど しかし怪獣デザイナーとして途中から参加した成田亨が「これまでになかった怪獣を作ってやろう」という意気込みの元ガラモンというまさにこれまでの怪獣とはまったく違った斬新な怪獣を生み出します 以後続くウルトラマン、そしてウルトラセブンの途中までウルトラ怪獣はこの成田亨の天才的なデザインによって「恐竜タイプ」、「実在生物の巨大化」といったこれまでの怪獣とは異なるオリジナリティに満ち溢れた素晴らしいものが続き、成田亨がウルトラセブンを途中降板した後も成田亨の1弟子であった池谷仙克氏によって成田スピリッツが継承されていきます 第1次ウルトラシリーズの怪獣は成田、池谷、2人の天才的デザイナーの産物であると言うことが出来ます が、ここにきて怪獣ブームは一旦沈静化、ウルトラシリーズは中断しますが、ほどなくして再びブーム再燃、「帰ってきたウルトラマン」の放送が始まり第2次ウルトラシリーズがスタートします 「帰ってきたウルトラマン」ではセブン後期の怪獣デザイナー池谷仙克氏が再び怪獣デザインを担当、番組初期においてはオーソドックスな恐竜タイプの怪獣が中心でした これは怪獣の原点に立ちかえると言う意思の現れだったのでしょうか? 番組中盤にはまさに恐竜型怪獣の決定版ともいうべきブラックキングが登場、子供たちからの人気を呼び、怪獣ファンからも高く評価されます しかしオーソドックス恐竜タイプは出尽くした感があり、怪獣の新たな方向性を模索し始めます これまでになかった怪獣として、オーソドックスな恐竜型怪獣とは正反対の変化球タイプの怪獣、プリズ魔、ビーコン、ヤメタランス、ササヒラー、バルダック星人など実験精神と冒険新に満ちた怪獣が現れ怪獣デザインの幅を広げていきますが、毎週毎週斬新な怪獣を「発明」していくことはやはり難しく番組終盤近くにはやや息切れしてきた感もありました が、そんなとき東宝が「ゴジラ対ガイガン」においてガイガンという新しいタイプの怪獣を登場させ、これが新たな怪獣の方向性を示唆し、ウルトラシリーズのスタッフは「帰ってきたウルトラマン」に続く新たなウルトラマン「ウルトラマンA」の怪獣をガイガンのような怪獣とメカニックの融合した、怪獣からさらに進化し、怪獣を越えたモンスター、超獣というコンセプトで行こうと思い立ちます 結果は大成功、Aの超獣は第2次怪獣ブームを象徴する、新たな時代の怪獣として子供たちから大きな人気を得るのでした Aの超獣は「とにかくもっとすごい超獣を出そう」、「もっと強い超獣を!」、「もっとカッコいい超獣を!」と次第にエスカレートしていき、どんどんゴテゴテとしていきケバケバしくなっていきます とにかく思いつく限りのアイディアをつめこめるだけつめこんでいった結果、進化というよりは奇形化、やりすぎの次元まで達してしまいました もうこれ以上の怪獣進化は思いつかない、超獣において怪獣は究極の進化、進化の最終的な到達点にまで達してしまったのだと言えます Aの最終回に登場した超獣ジャンボキングはまさに怪獣の究極進化の象徴とも言えるものでした さて行くところまで行った超獣以後の怪獣はどうなっていったのか? 怪獣は究極の進化を遂げてしまった後でも怪獣人気は続き、ウルトラマンA終了後はウルトラマンタロウが放送されます 超獣よりもっとすごい怪獣を登場させなければ! スタッフは意気込みますが、なにせ超獣は怪獣の究極の進化形態、それを越えるものというのはそうそう思いつきません しかしタロウに登場する怪獣は「超獣よりも強い怪獣」であることが必要です そこでタロウの第1話ではまさに、超獣さえも食ってしまうと言う文字通りの「超獣より強い怪獣」、宇宙大怪獣アストロモンスが登場します そうアストロモンスは超獣を食べてしまうのです! Aによって合体超獣ジャンボキングが倒されたことにより超獣は滅びたかに思われましたが、たった1匹生き残っていた超獣がいました オイルドリンカーです オイルドリンカーはエピソードの1つの主役を張れるくらいに実にかっこいい超獣でありましたが、残念ながら「超獣より強い怪獣」であるアストロモンスの噛ませ馬としてアストロモンスの腹に咲く宇宙植物チグリスフラワーに飲みこまれ食べられてしまいます アストロモンスはオイルドリンカーを食べることによって、それまで最強のモンスターであると思われていた超獣以上に強い怪獣であることを存分にアピールします さらにアストロモンスは、超獣のように怪獣とメカの融合と言うコンセプトに基づいた怪獣ではありませんがジャンボキングの合体怪獣というコンセプトのもと生み出された怪獣だと言えます その姿はこれまでのウルトラ怪獣からの「いいとこどり」ともいえるものでした 頭の1本角はブラックキング、腹の超獣さえ飲みこんでしまう花、チグリスフラワーはベムスターの腹の六角形の第2の口を思わせます 両腕は長い鞭となっており、これはグドンでしょう その顔は「帰ってきたウルトラマン」の初期のオーソドックスな恐竜型怪獣、アーストロンやキングザウルスⅢ世を思わせます アストロモンスは後のタイラントの雛型とも言えるシリーズ通してのウルトラ怪獣の各パーツの組み合わせによる合体怪獣でありました これは超獣をさらに越える怪獣という説得力抜群のカッコいい怪獣でしたね ウルトラマンタロウの怪獣って、こんなにカッコいい怪獣ばかりがこれから登場するのだろうか? 怪獣好きの子供たちはタロウ怪獣の今後に期待に胸を膨らませワクワクしていたことと思います が、タロウ怪獣はこの後、思いもしなかった方向へと向かって行くのでした タロウの第2話には2匹の怪獣が登場しますが、まず1匹は体を液体に変えられるコスモリキッド アストロモンスほどのいんぱくとはありませんが、これもなかなかにカッコいい怪獣です しかし、このコスモリキッド、実はオイルドリンカーと同様、もっと強い怪獣に食べられてしまう噛ませ馬だったのでした このコスモリキッドさえ食べてしまうさらに強い怪獣とは? それがこの再生怪獣ライブキングでした ライブキングを見たとき、怪獣好きの子供たちは目が点になったと思われます なんだこのヘンテコな怪獣は? なんというかまるっきりカッコよくない・・・・ なんだかカバみたいな間抜けな顔だし、体はずんぐりむっくりしていて、お腹が出ているデブっちょだ なによりそのお腹には大きなデベソがついている! 見ていると笑ってしまうような、なんだか真面目さが感じられないトボけた怪獣だ しかもこの怪獣、これまでの怪獣のように「ガオー!」とか「グオー!」とか猛々しく咆哮する変わりに人間そっくりの声で「わははははははは!」と笑いながら暴れるではないか? この怪獣は変だ! なにかの冗談としか思えない・・・・・しかし、この変な怪獣が、カッコいい怪獣であるコスモリキッドを食べてしまった! てっきりコスモリキッドがこの変な怪獣をやっつけて、より強い怪獣であることをアピールするものだと思っていたのに逆だった! ライブキングはアストロモンスとは偉い違う、どう受け止めていいのかわからない怪獣だった ライブキングに飲みこまれてしまったコスモリキッドだが、実は体を液体にしてライブキングの胃袋に潜んでいて死んではいなかった ライブキングが飲みこんだ子犬と東光太郎を吐き出させるためZATが行った「コショウ振りかけ作戦」により「ハックション!」とクシャミをしたライブキングの口から子犬、光太郎と共に吐き出された液体化したコスモリキッドは再び怪獣の姿となりライブキングと戦い始める 光太郎はウルトラマンタロウに変身し2匹の怪獣と戦い、ストリウム光線でコスモリキッド、ライブキングを爆死させるのだったがライブキングは実はバラバラになっても再生することが出来る不死身の怪獣だった こんな変な怪獣がストリウム光線を受けても死なず、再生して蘇るすごい怪獣だなんて信じられない! 再び現れたライブキングをタロウはウルトラの母の助けを借りて2度と再生できないほど完膚なきまでにやっつけるのだったが、とにかくライブキングはその見かけとは裏腹になかなか侮れない強い怪獣であった しかし・・・・・こんなフザけた怪獣をアストロモンスと同様に「超獣より強い怪獣」と認めてしまっていいのか? 真剣に怪獣を見ていた怪獣ファンの子供や、怪獣マニアの大人達はどうも釈然としない気持ちを抱いたのだった 「不真面目なんじゃないか?」、「怪獣ファンをバカにしてないか?」 これまでユーモラスな怪獣というのはいないわけではなかった 「帰ってきたウルトラマン」にはヤメタランスというライブキング以上にブサイクでフザけた怪獣がいたし、「快獣ブースカ」という可愛らしい怪獣が主役のコメディ番組だってあった ライブキングと見た目が良く似ているダイゴロウという怪獣が出てきた映画もあった だが、ライブキングはそれらのユーモア怪獣とは一緒に出来ないような気がした ヤメタランスは「帰ってきたウルトラマン」における、いわば異質なタイプの怪獣だったし、たまにはこういう怪獣も有りかな?と許せるような気がする 「快獣ブースカ」はそもそもが子供向けコメディ番組なので、面白おかしい怪獣であるのは当然だろう ダイゴロウの場合は、見た目がカッコ悪い、弱い怪獣であるダイゴロウが強い怪獣ゴリアスに勇気を持って立ち向かうと言うコンセプトの怪獣だ ダイゴロウがカッコ悪く見えることには必然性が有る しかしライブキングは「強い怪獣」として登場している これまでの強い怪獣はみんなカッコよかった ゴモラ、ゼットン、ブラックキング、ベロクロン、アストロモンス・・・・ そんな強くてカッコいい怪獣と、ライブキングを同列に並べたくない! ライブキングに対して、子供は・・・・少なくとも自分は激しく拒否反応を起こした しかしウルトラマンタロウはその後も、ライブキング同様、どうにも不真面目なおフザケ怪獣を登場させていく 目玉が飛び出し、ありえないほどに出っ歯なブサイク怪獣オカリナン、目玉が飛び出し鼻がありえないほど長いロードラ、もちつきの臼に顔がついたモチロン、酔っ払い怪獣ベロン、ピノキオみたいな子供じみた姿のピッコロ タロウの怪獣全てではないにしても、それまでカッコいいことが当然だったウルトラ怪獣とは思えない、どうにも緊張感に欠ける脱力してしまうような怪獣が出てきます また、こうしたお笑い路線以外のタロウ怪獣は、フザけてはいないにしてもお笑い怪獣に比べてどうもインパクトが弱いようにも思えました タイラント、バードン、テンペラー星人など文句なく強くて人気の高い怪獣もいます でも自分には第1次ウルトラ怪獣やAの超獣ほど魅力的には見えなかったのです タロウ怪獣は「超獣よりさらに強い怪獣」、「超獣のさらに先を行く怪獣」であるとは思えませんでした ウルトラマンタロウを見ながら自分は以前ほど怪獣に熱狂できない自分を意識してしまいましたね そんな自分の怪獣離れのきっかけとなった怪獣がライブキングでした しかし今思うとライブキング、どうにもフザけた怪獣であるにもかかわらず、強くて恐ろしい怪獣であるというところは逆に不気味でもあります ライブキングがトラウマだという怪獣ファンもいるようです このライブキング、「ドラゴンボール」の魔人ブウにどこか通じるものがあるような気がしますね 「ドラゴンボール」はベジータ、フリーザと作者の鳥山明が本来のラスボスとして想定していた最強の敵を登場させ、圧倒的な強さを表現しましたが、「ドラゴンボール」はあまりの人気の高さから連載を終わらせることが出来ず少年ジャンプ編集部に要請され無理矢理連載し続けられたという話です フリーザ以上のラスボスを考え出すのは難しく、人造人間17号、18号、それより強いセルなど登場するものの、いわゆる「強さのインフレ」で設定の上でフリーザ以上と説明されても、どうもそこまでの存在感を表現し切れなかったような気がします それでも連載は続きセルよりさらに強い敵として「見た目は強そうに見えないが、最強」という意外性をついた間人ブウが登場します 最強の敵のくせにギャグキャラのような魔人ブウは、おそらく苦肉の作で合ったと思いますが、読者からは思ったような反響は得られなかったようです 魔人ブウとライブキングは自分にはどうにも似ているように思えますね ウルトラマンタロウのユーモア怪獣は「超獣がさらに進化した怪獣」にはならなかったと思いますが、しかし「これまでにないタイプの怪獣」をやってみようという意思の現れであったともいます 「苦肉の策」では有ると思いますが、しかしそれでも「今までと同じことをやってもつまらない」、「どうせやるなら新しいタイプの怪獣を作っていこう」という気持ちはうかがえます その結果がうまくいったとは思いませんが、カッコいい一方の怪獣を逆転の発想で「笑える方向」に突き進めていったのは、これまでになかった怪獣の新しい領域を開拓したのだと言ってもいいかもしれません 自分は子供の頃はあまりに怪獣を真剣に受け止めていたためタロウ怪獣のユーモアを受け入れる余裕がありませんでしたが、大人になった今見ると、タロウのユーモア怪獣には「子供を楽しませてやろう」という大人達の気持ちが見えてくるように思います もっともその気持ちは子供にはうまく伝わらなかったかもしれませんが・・・・・ 言ってみれば買い物に出かけた親が子供の喜ぶ顔かみたくて怪獣のソフビをおみやげに買って帰ったものの、そのソフビはパチモンのどうしようもなくカッコ悪いもので、子供は喜ぶどころか「なんでこんな変なの買ってきたんだよう~!」と親野気も知らないで泣き出してしまった、という感じでしょうかね? そんなパチモン怪獣ソフビが大人になった今見ると、面白おかしく見えて好きになってしまう そんな気持ちが、今タロウのユーモア怪獣を見ると湧き上がってきますね これまで酷評される一方のタロウ怪獣でありましたが、タロウを見て育った子供が余裕を持てる大人になった今、始めて再評価される時代が来るのではないかと思います 最後に、怪獣については評判の悪かったウルトラマンタロウでしたが、主役のタロウの人気は子供たちの間で非常に高く「子供に最も人気の有るウルトラマン」と言われていましたね(今、1番人気の有るウルトラマンは違うかもしれませんが・・・・) やはりタロウのヒーローとしてのカッコ良さはズバ抜けていました ウルトラセブンにウルトラの父のような角をつけたその姿はやはりどうにも抗えないカッコ良さに満ち溢れています タロウに変身する篠田三郎さん演じる東光太郎も、実に爽やかで優しいお兄さん、といった感じで子供たちには親しみやすく大人気でしたね #
by pulog1
| 2009-01-21 23:18
![]() あけましておめでとうございます 今年も怪獣ブログをよろしくお願い致します さて「怪獣ブログ」では毎年新年には「今年の抱負」として「怪獣の記事をたくさん書く」と書いているのですが一向に実行されませんでした イノシシ年のときは「猪突猛進してバリバリ記事を書いていきます」 去年のネズミ年には「ネズミ算式に記事をどんどん増やしていきます」 なんて出来もしない大口を叩いていましたが、実際はつきに1回のスローペースでの更新 情けないです・・・・ 今年はもう出来もしないことを言うのはやめにします 2009年の抱負は 「牛歩のようにノロンロとゆっくり、確実に1本1本記事を書く」 です これなら実行できそうです(>▽<) さて牛歩といえば今年の干支は丑年です 牛の怪獣というのも結構いまして、帰ってきたウルトラマンには水牛怪獣オクスター、仮面ライダーV3にはタイホウバッファロー、キカイダーにはブルーバッファローなどいろいろおりました ウルトラセブンのカプセル怪獣ミクラスは出身地が「バッファロー星」だったりするので、これまたバッファローの怪獣であると思われますね しかし水牛、バッファローといった怪獣、怪人は良く見るものの「牛」そのもの、干支で言う丑を現す家畜として飼われているあの何の変哲も無い「牛」を怪獣にしたものはあまり見ない気がします やっぱり牛肉として食べられたり、乳を絞られて飲まれたりしているあの「牛」ではあんまり強そうなイメージが無いからでしょうか? しかし、そんな牛の怪獣が1匹いるのです ウルトラマンAに登場した牛神超獣カウラです ウルトラマンAは夏に「怪談シリーズ」として怖いエピソードを放送していましたがそんあ「怪談シリーズ」の第2弾が「怪談・牛神男」であります 故郷の岡山に帰省したTACの吉村隊員 彼は新幹線の中で蟹江敬三演じる旅をしているヒッピーと出会います 2人は岡山で降りますが蟹江敬三は牛の神様を祭っている祠にあった「はなぐり」、牛の鼻輪のようなものをふざけて盗みます すると牛の神様に祟られて蟹江敬三は段々牛のような姿になってしまいます そんな蟹江敬三に目をつけたヤプールは蟹江敬三を超獣カウラにしてしまいうのでした 牛の呪いの伝承は日本各地に伝わっているようですが、そんな民間伝承から発想を得た怪談ストーリーです あんまり怪獣として見栄えの良くないモチーフと思われていた牛ですが、このカウラを見るとなかなかに堂々とした、どこか威厳を感じさせる怪獣、いや超獣になってますね 牛神様という神様の祟りのせいか神々しいと言うかなんだかありがたい感じのする怪獣、いや超獣です 縁起物みたいでお正月にはぴったりではないでしょうか?w そして超獣なんですが、自分は超獣を「怪獣進化の究極形態」だと思っています 同じように思っている人は他にもたくさんいると思うのですが、ゴジラから始まりウルトラQの放送からテレビに活躍を移した怪獣が成田亨の登場によってデザイン革命を経て多様化、第1次怪獣ブームを形作りましたがブームが沈静化 しかしガイガンの登場により怪獣デザインの新たな可能性が示されたのと同時に第2次怪獣ブームが盛りあがり、このガイガンのフォロワーとも呼ぶべき新感覚デザインの怪獣がたくさん登場します そのガイガン以後の怪獣の中でも特にガイガンのスッピリッツを色濃く継承し、さらに極限まで到達してしまったのがAの超獣ではないかと思っているのです ゴテゴテとしていてケバケバしいと揶揄されることも多い超獣ですが、それはガイガンスピリッツともいうべき「カッコいいと思われる要素をとにかく大量に投入する」という精神を極限まで突き詰めた結果だと思いますね しかし超獣はまさにやりすぎの領域までいってしまったため、Aの放送終了後、超獣のさらに先を行く怪獣というものが見えなくなってしまった そのためAの後番組であるウルトラマンタロウにおける怪獣はこれまで怪獣が手を付けていなかった「お笑い路線」に走ってしまいこれが怪獣ファンからは不評 タロウの後のレオではさらに迷走、新しい怪獣像の決定打を打ち出すことが出来ないまま番組後半では迷走の挙句に迷いこんだ「円盤生物」なるなんとも言いがたい摩訶不思議な生き物へと到達 それと同時に怪獣ブームは終焉という道を辿ったように思います 超獣が怪獣の究極の進化、言いかえれば「奇形化」にまで進んでしまい、超獣以後は退化・・・・という言葉は適当ではないかもしれませんが「進化の袋小路」に迷いこんで出られなくなってしまい自滅してしまった、という印象があります ただ円盤生物は、その独特過ぎる個性が近年評価されつつあるように思えますね 放送当時は「これはないわ」と思っていた円盤生物ですが今は結構好きだったりします またタロウのお笑い怪獣もこれから再評価されていく気配も見えます 以上のようなデザイン面における怪獣進化の過程を体系的に捉えていきたいと言うのが最近の自分のテーマでありまして、拙ブログ「怪獣ブログ」で本年度において中心的に書いていきいと思っているものですね 映像における怪獣デザインの進化の流れみたいなものをゴジラからスタートし、テレビ怪獣ではウルトラQ以前、マリンコングや月光仮面のマンモスコング、ナショナルキッドのギャプラ、大怪獣アゴンなど出来るだけ細かく取り上げ比較検証して、いかにしてウルトラQにおいて成田亨の怪獣デザイン革命が起こったのか?といったことを語りたいですね 第2次怪獣ブームにおいてはガイガンが新たなるデザイン革命を起こし、いかにガイガンが怪獣デザイン的に重要であったのかを主張して、それが「究極形態」である超獣に繋がる過程を検証したい・・・・と考えたりしてるんですがこれを書くのはなかなか難しそう・・・・ しかし2009年の自分のテーマとして頑張って書いていこうと思ってます というわけで、みなさん今年もどうぞよろしくお願い致します! #
by pulog1
| 2009-01-01 22:05
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